欧州委員会、「競争力コンパス」を発表し、生産性を成長させ気候中立を目指す

1月29日、欧州委員会は、「Competitiveness Compass(競争力コンパス)」を発表し、ヨーロッパの技術革新、クリーンエネルギー、製造業の強化を目指す。この取り組みは、ヨーロッパを技術革新、クリーンエネルギー、製造業の中心とし、世界初の気候中立大陸を目指すものである。ヨーロッパは過去20年間、生産性の成長で遅れを取っており、構造的課題の克服が必要であるとされている。

Competitiveness Compassは「イノベーション」「脱炭素化」「安全保障」の3つの主要分野に焦点を当てる。イノベーションでは、「AI Gigafactories」や「Apply AI」などの施策で技術導入を促し、「EU Start-up and Scale-up Strategy」によりスタートアップ支援を強化する。「28th legal regime」の導入で規制の統一も進める。

脱炭素化では、高騰するエネルギー価格への対策が不可欠であるとし、「Clean Industrial Deal」によりエネルギー集約型産業の競争力を維持し、「Affordable Energy Action Plan」でコスト削減を図るという。また、鉄鋼、金属、化学産業などのエネルギー集約型産業向けの特別行動計画も策定する。安全保障面では、ヨーロッパの供給網多様化と依存度低減が重要であるため、貿易協定網を活用し、「Clean Trade and Investment Partnerships」による原材料やクリーンエネルギーの確保を進めるという。

さらに、これらの柱を支える5つの横断的施策がある。規制の簡素化、市場障壁の撤廃、資本市場の効率化、人材育成、政策調整の5つの施策を推進し、競争力向上を図る。

【参照ページ】
(原文)An EU Compass to regain competitiveness and secure sustainable prosperity
(日本語参考訳)競争力を取り戻し、持続可能な繁栄を確保するためのEUの羅針盤

関連記事

“CSAセミナー"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 【新着】EUDR簡素化が公表でどう変わる?最新動向と企業の対応ポイントを整理

    2025-4-17

    【新着】EUDR簡素化が公表でどう変わる?最新動向と企業の対応ポイントを整理

    EUにて2024年に導入が予定されていた森林破壊防止規則(EUDR)は、2025年12月への適用延…
  2. 2025-4-16

    IAGとマイクロソフト、最大規模のスコープ3持続可能航空燃料(SAF)契約を締結

    4月2日、インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)とマイクロソフトは、業界全体のライフ…
  3. 気候変動リスクを財務諸表にどう反映する? 開示のポイントと実務対応

    2025-4-15

    気候変動リスクを財務諸表にどう反映する? 開示のポイントと実務対応

    ISSB(国際サステナビリティ基準審査会)やSSBJ(サステナビリティ基準委員会)が気候変動リスク…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る