DHLとIAG Cargo、サステイナブルな航空輸送の拡大を目指しパートナーシップを締結

10月23日、DHLとIAG Cargoが、持続可能な航空燃料(SAF)を通じて温室効果ガス(GHG)排出量削減を進めるためのパートナーシップを締結した。今回の契約により、2024年から2025年の間に6,000万リットルのSAFを使用し、約165,000トンのCO2削減が見込まれている。これはDHLにとって最大級のSAF契約であり、IAG Cargoが顧客と結んだSAF契約としても過去最大規模となる。

契約で使用されるSAFは、使用済みの食用油や食品廃棄物を原料に製造され、国際サステイナビリティ&カーボン認証(ISCC)を取得している。本SAFはライフサイクル全体で従来のジェット燃料と比べ約80%の排出削減を実現でき、DHLの英国から米国への大陸間輸送において、大型貨物機1機分の削減量に相当する。

DHLは顧客がサプライチェーン全体でサステイナブルな選択を可能にする「GoGreen Plus」サービスを提供しており、これにより海上輸送や陸上輸送を含むさまざまな物流分野での脱炭素化が進められている。DHLの「Book and Claim」アプローチにより、SAFの利用分は証明書として顧客に還元され、企業のサステイナビリティ目標達成を支援する。

DHLとIAG Cargoの両社は、2050年までにGHG排出量をネット・ゼロにするという共通目標を掲げており、本パートナーシップはその達成に向けた大きな一歩となる。IAG CargoのCEOであるデイビッド・シェファード氏は、「6,000万リットルのSAF利用により、共通の目標である航空業界の脱炭素化に大きく貢献できることを誇りに思う」と述べている。

DHLとIAG Cargoの提携は、持続可能な物流ソリューションの提供を加速させるだけでなく、よりサステイナブルな未来を目指す企業同士の連携の重要性を強調している。

【参照ページ】
(原文)DHL and IAG Cargo solidify partnership to drive sustainable air freight

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-1

    カナダ年金基金、2030年までに4,000億ドルの気候投資

    6月19日、カナダの大手機関投資家であるケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は、2050年ネットゼロ…
  2. 2025-7-1

    GRI、サステナビリティ報告のデジタル化を促進する新「サステナビリティ・タクソノミー」を発表

    6月19日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新たに「GRI S…
  3. GRI 102/103 新基準の実務チェックポイント:IFRS/ISSB基準と一部整合へ

    2025-6-30

    GRI 102/103 新基準の実務チェックポイント:IFRS/ISSB基準と一部整合へ

    サステナビリティ情報開示における基準間の整合性の確保は、ますます重要な課題となっている。CSRD(…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る