10月21日、米国証券取引委員会(SEC)は、ニューヨークを拠点とする投資顧問会社WisdomTreeアセットマネジメントを、ESG要素を組み込んだ投資戦略に関する不実表示およびコンプライアンス違反で告発した。
同社は2020年3月から2022年11月の間、ESGを掲げた3つの上場投資信託(ETF)について、化石燃料やタバコに関連する企業への投資を行わないと目論見書やファンドの信託理事会に説明していた。しかし、SECの調査によって、これらETFは石炭採掘や輸送、天然ガスの採掘・流通、タバコ製品の小売販売を行う企業にも投資していたことが判明した。また、同社は第三者ベンダーから提供されたデータを使用していたが、すべての化石燃料やタバコ関連企業を適切に排除していなかった。またSECは、同社がこうしたスクリーニング・プロセスを管理するための方針や手続きを持っていなかった点も指摘している。
WisdomTreeは、1940年投資顧問法および1940年投資会社法の反詐欺規定、ならびに投資顧問法のコンプライアンス規則に違反したとのSECの判断を受け入れ、停止命令および譴責に同意した。違反を認めることなく、同社は400万ドル(約6億円)の民事罰金を支払うことに同意した。