豪州、初のグリーンウォッシング事件でMercerに1130万ドルの罰金

8月2日、オーストラリア連邦裁判所は、Mercer Superannuation(Australia)Limitedに対し、1130万オーストラリアドル(約740万ドル)の罰金を命じた。これは、ASIC(オーストラリア証券投資委員会)が提起した初のグリーンウォッシング事件であり、金融業界全体にとっても重要な判決である。

裁判所は、Mercerがウェブサイトで宣伝していた「Sustainable Plus」投資オプションにおいて、炭素集約型の化石燃料、アルコール生産、ギャンブルに関与する企業への投資を排除すると主張していたが、実際にはそれらの企業に投資していたことが確認された。具体的には、化石燃料の採掘や販売を行う15社、アルコールを生産する15社、ギャンブル業界に関わる19社に投資されていた。

この事件に対し、裁判官は「MercerがESGに関する主張の正確性を確保するための適切なシステムを実施しなかったことが、この重大な違反を引き起こした」と述べ、消費者が金融商品のESG主張に信頼を寄せられることの重要性を強調した。

ASIC副委員長のSarah Court氏も、「この判決は、金融業界においてグリーンウォッシングに対する厳しい姿勢を示すものであり、今後も市場におけるESG関連の主張を厳しく監視する」と述べた。

【参照ページ】
(原文)ASIC’s first greenwashing case results in landmark $11.3 million penalty for Mercer
(日本語参考訳)ASIC 初のグリーンウォッシング事件でマーサーに画期的な 1,130 万ドルの罰金

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-9-11

    ESMA、第2回リスク監視報告書を発表し、ESG投資の減速を指摘

    8月29日、欧州証券市場監督局(ESMA)は2024年の第2回リスク監視報告書を発表した。同報告書…
  2. 2024-9-11

    Microsoft、EDPRと20年間の再生可能エネルギー購入契約を締結

    8月26日、再生可能エネルギー生産会社のEDP Renewables(EDPR)は、Microso…
  3. 2024-9-11

    気候技術企業のCarbon Caputure、DACプロジェクトの一時停止を発表

    8月30日、気候技術企業のCarbon Caputureは、新たに声明を発表し、現在の同社の計画に…
ページ上部へ戻る