国連グローバル・コンパクト、新たな中小企業支援プログラムを開始

5月22日、国連グローバル・コンパクト(UNGC)は「持続可能なサプライヤーおよび中小企業プログラム」を正式に開始した。このプログラムは、中小企業(SME)を対象に、グローバルな交流、ビジネス行動、そして各国での実施に向けた支援を提供することを目的としている。

このプログラムの中心となるのは、中小企業コミュニティ「SPARK」への参加である。「SPARK」を通じて中小企業は、ナレッジを習得し、大企業のサプライヤーとしての競争力を向上させることが期待されている。

UNGCは、中小企業が世界の企業数の90%を占め、世界の総雇用の50%を担っていること、また新興国ではGDPの約40%を占め、企業のESGフットプリントの3分の2を占めているにもかかわらず、以下のような多くの課題に直面していることに着目した。

  1. 資金や情報へのアクセスの不足
  2. サプライチェーンの寸断に対する脆弱性
  3. 複雑な規制環境における報告要件の難しさ

これらの課題に対応するため、UNGCは中小企業が持続可能なビジネスプラクティスを採用し、グローバルなサプライチェーンの中でより競争力を持つことができるよう支援することを目指している。

今回のプログラムは、世界中の中小企業が直面する課題を解決し、持続可能な成長を促進するための重要なステップである。中小企業が「SPARK」に参加することで、持続可能なサプライチェーンの一部となり、グローバルなビジネス環境での競争力を高めることが期待される。国連グローバル・コンパクトのこの取り組みは、持続可能な未来に向けた重要な一歩となるだろう。

【参照ページ】
(原文)UN Global Compact Launches Sustainable Supplier and SME Programme
(日本語参考訳)国連グローバル・コンパクトが持続可能なサプライヤーおよび中小企業プログラムを開始

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-20

    SEC議長、ESG株主提案の政治化に警鐘―「企業統治の本質に立ち返るべき時」

    10月9日、米証券取引委員会(SEC)のポール・S・アトキンス議長は、デラウェア大学のジョン・L・…
  2. 【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    2025-10-15

    【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…
  3. 【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    2025-10-15

    【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る