5月28日、バイデン政権(米国財務省)は、自主的炭素市場(VCMs)への責任ある参加のための共同声明と新原則を発表した。バイデン大統領はこれまでも、Inflation Reduction Act(米国インフレ抑制法)の制定や、経済のあらゆる部門における排出量削減のための行政措置など、野心的な気候変動アジェンダを主導し、実現してきた。
VCMは、大気中から削減・除去された炭素1トンに相当する炭素クレジットを、企業、NGO、政府などが自主的に売買する市場である。VCMは、脱炭素化への取り組みを促進する可能性・国内外に経済的な機会を生み出す可能性を持っており、重要な収入源として機能する。
発表では、同政権がVCMの責任ある開発を奨励するため、主に下記のようなイニシアティブも推進していると発表した。
- エネルギー省による炭素クレジットの直接購入
- 農務省による市場インフラの構築と支援
- 国務省が国際的な気候変動協定の交渉においてリーダーシップをとること
- 民間部門のネットゼロ移行計画を支援する原則の発表
新たな新原則(Voluntary Carbon Markets Joint Policy Statement and Principles)は、グリーンウォッシュやその他のリスクに対応するものであるとして、高品質なクレジット市場の形成のために役に立つ内容であるとしている。
また、農務省がVCMで使用されるプロトコルに関する一般からの意見を求める情報提供要請書を発表したことや、成長する気候解決法(Growing Climate Solutions Act)を実施するための作業をさらに進めること、エネルギー省が賞金3,500万ドルの二酸化炭素除去購入パイロット賞の準決勝進出者を発表したことなども含まれる。
【参照ページ】
(原文)U.S. Department of the Treasury Releases Joint Policy Statement and Principles on Voluntary Carbon Markets
(日本語参考訳)米国財務省、自主的な炭素市場に関する共同政策声明と原則を発表