KKR、米国の再生可能エネルギー開発企業Avantusの過半数株式を取得

KKR、米国の再生可能エネルギー開発企業Avantusの過半数株式を取得

3月21日、代替資産およびプライベート・エクイティ投資家であるKKRは、米国の太陽光発電および蓄電システム開発会社であるAvantusの株式の過半数を取得し、同社の成長を支援することを発表した。

2009年に設立されたAvantusは、カリフォルニア州を拠点とし、米国南西部とカリフォルニア州の電力市場を中心に、大規模な公共施設規模の太陽光発電および太陽光+蓄電プロジェクトの開発・販売・運営を行っている。現在までに、同社は6.5GWpの太陽光発電と6.3GWhの蓄電池プロジェクトを開発・販売し、30GWpの太陽光発電と94GWhの蓄電池のプロジェクト・パイプラインを保有している。

本取引は、KKRが2023年8月に開始した「グローバル気候戦略」による米国初の投資であり、低炭素経済への移行を支援する大規模なソリューションへの投資に特化している。

買収後、KKRと既存の投資家であるEIGがAvantusの唯一の株式投資家となる。KKRによると、両投資家はAvantusに対し、成長を支援するため、株式コミットメントと合わせて総額約10億ドル(約1,513億円)の開発資金融資のコミットメントを確保している。

KKRは先週、ドイツの再生可能エネルギー・プラットフォームEncavisに対する30億ドル(約4,540億円)の買収提案を開始したほか、12月にはスコットランドを拠点とするエネルギー・電化ソリューション企業Smart Metering Systems(SMS)を17億ドル(約2,573億円)で買収、最近ではロンドンを拠点とする輸送用電化・蓄電池ソリューション・プロバイダーZenobēに7億5,000万ドル(約1,135億円)を投資するなど、エネルギー転換インフラに焦点を当てた一連の動きの中で、今回の買収は最新のものとなる。また、KKRは最近、インドのVirescent Infrastructure、アジアのAster Renewable Energy、長期間の高利回り太陽光発電投資を対象とするStellar Renewable Powerなど、一連のクリーン・エネルギー・プラットフォームを立ち上げた。

KKRは、取引終了後、アバンタスの全従業員が株式所有の特典に参加できるよう、株式所有プログラムの創設を支援すると述べた。

【参照ページ】
(参考記事)KKR acquires majority stake in US renewables developer Avantus

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-8

    欧州委員会、サステナビリティ報告関連法規(第三国ESRS)の制定を延期へ

    10月6日、欧州委員会は金融サービス分野における115の「重要ではない2次法(regulatory…
  2. SASBスタンダード対照表の作成ステップ(開示項目一覧表ダウンロード資料付)

    2025-10-7

    SASBスタンダード対照表の作成ステップ(開示項目一覧表ダウンロード資料付)

    サステナビリティ情報開示の質を高めることは、今や重要な経営課題である。単なる開示義務の遵守ではなく…
  3. 2025-10-7

    投資家が注目する「気候対応」クライメイトウィーク2025が示した新潮流

    9月21日から28日まで国連総会と並行して開催されたクライメイトウィークNYC 2025は過去最大…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る