1月25日、本田技研工業は、自動車業界の大手企業である米国GMとの燃料電池製造合弁会社であるFuel Cell System Manufacturing(FCSM)が、燃料電池生産を開始したことを発表した。
FCSMは、2017年1月に設立され、両社が出資比率50%ずつで8,500万米ドル(約125億円)を拠出した。本社は米国ミシガン州ブラウンズタウンに位置し、GMの既存バッテリーパック生産工場内に拠点を置いている。
FCSMが生産する燃料電池システムは、2024年に本田技研工業が発売を予定している燃料電池自動車(FCV)に搭載される予定である。さらに、商用車や定置電源、建設機械など、法人顧客向けにも適用範囲を拡大し、水素需要を喚起することを目指している。
今回生産を開始した燃料電池システムは、耐久性を2倍に向上させるために耐食性の高い材料を採用し、耐低温性も大幅に向上させた。また、セルシール構造の進化や貴金属使用量の削減、大規模生産によるコスト削減などにより、開発・製造コストを2019年モデル比で3分の1まで削減した。
本田技研工業は、2050年までに全製品と企業活動でカーボンニュートラルを目指すことを既に表明しており、EVとともに水素を有望なエネルギーキャリアとして位置づけ、研究・開発を進めている。今回の燃料電池製造開始も、その一環として重要なアクションである。
【参照ページ】
Hondaとゼネラルモーターズ(GM)の合弁会社 Fuel Cell System Manufacturing, LLCにおいて燃料電池システムの生産を開始