1月15日、国際労働機関(ILO)は、職場における暴力・ハラスメント防止に関する報告書を発行した。本報告書は、暴力とハラスメント(V&H)を防止し対処するために、ILO暴力・ハラスメント条約や労働安全衛生(OSH)対策を含む包括的な戦略を採用することの重要性を強調するとともに、本問題に取り組む上での各国のアプローチの違いや、団体協約や法的枠組みの有効性についても検証している。
本報告書では、V&Hを「労働者個人の健康、ウェルビーング、生活、生産性の低下、代替、退職、レピュテーション被害による企業の業績、生産性の高い労働者の潜在的な喪失、社会サービスや福祉への圧力の増大による社会全体にとって、大きな犠牲を伴う」と認識。将来的には、「雇用契約の新しい形態、労働力の高齢化、仕事の集約化、デジタル監視、ワークライフバランスの悪化等、仕事の性質を変えつつある多くの要因によって、さらに悪化する可能性がある」とした。
また、先行事例も紹介しつつ、職場の方針やリスクアセスメント、特に労働者に対する研修や情報提供、V&Hに関するリスクマネジメント措置に関するガイダンスも含んでいる。企業と労働組合が締結する「労働協約(CBA)」の中で、V&Hに関する取り決めを行うことも有効とした。
【参照ページ】
(原文)Preventing and addressing violence and harassment in the world of work through occupational safety and health measures
(日本語参考訳)ILO、職場での暴力・ハラスメント防止で報告書を発行