1月25日、米国エネルギー省は、産業部門の温室効果ガス排出削減を目的とした49の厳選されたプロジェクトに1億7,100万ドル(約373億円)、化学、鉄鋼、食品、建築物などの脱炭素化が困難な部門を対象とした8,300万ドル(約121億円)の資金申請を開始するなど、産業部門の脱炭素化に向けたプロジェクトや技術の推進を目的とした2億5,000万ドル(約367億円)を超える投資を発表した。
産業部門の脱炭素化はバイデン政権の気候変動アジェンダの重要な重点分野であり、産業部門は米国の排出量の3分の1近くを占めている。同政権のインフレ削減法(IRA)と超党派インフラ法(BIL)には、カーボンフリー・エネルギー、製造業、クリーン・テクノロジーを含む分野への気候変動に焦点を当てた投資に約5000億ドル(約73兆円)の割り当てが含まれている。
選定されたプロジェクトの重点分野には、製造技術、電化、水素利用など、鉄鋼生産における脱炭素化の機会に焦点を当てたプロジェクトに3700万ドル(約54億円)、高度分離プロセス、高度反応システム、動的触媒科学など、大量化学製品の脱炭素化技術に3000万ドル(約44億円)、工業用熱・熱プロセスの脱炭素化を目指したプロジェクトに2500万ドル(約36億円)、低炭素燃料利用の促進に2100万ドル(約30億円)、セメント・コンクリートの脱炭素化プロジェクトと技術に2000万ドル(約29億円)が含まれる。
8,300万ドル(約121億円)の資金提供の機会は、化学・燃料、鉄鋼、食品・飲料、建築・インフラ資材、林産物を含む排出量の多い部門を対象とした応用研究、開発、実証に焦点を当てる。DOEによると、これらの部門は米国の工業製造業の排出量の65%以上を占めており、サプライチェーンの脱炭素化に不可欠である。
【参照ページ】
(原文)Biden-Harris Administration Announces $254 Million to Decarbonize America’s Industrial Sector and Revitalize Domestic Manufacturing
(日本語参考訳)米国、産業の脱炭素化プロジェクトと技術に約373億円を投資