1月16日、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は、46か国以上320組織が、2023年9月に発行されたTNFD勧告に基づく自然関連開示を開始したと発表した。本発表は、世界経済フォーラム(WEF)年次総会のダボス会議の場で行われた。
TNFDフレームワークに沿った開示を自主宣言する「TNFDアダプター」のうち、TNFDアダプターに初期に署名した機関は「TNFDアーリーアダプター」とされる。TNFDアーリーアダプターには、時価総額4兆ドル(約600兆円)に相当するさまざまな地域や業界の大手上場企業が含まれている。100社以上の金融機関が参加しており、その中には14兆ドル(約2千兆円)の運用資産額(AUM)を誇る世界最大級の資産所有者や運用会社のほか、銀行、保険会社、証券取引所や監査法人、会計事務所などの主要な市場仲介機関も含まれる。
TNFDアーリーアダプターの日本企業・機関数は80。2024年度の報告を2025年までに行うことにコミットしたのは、味の素、ANAホールディングス、アサヒグループホールディングス、アスクル、アセットマネジメントOne、ベネッセホールディングス、コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス、第一生命ホールディングス、大和証券グループ本社、日立造船、日本航空、かんぽ生命保険、KDDI、キリンホールディングス、コニカミノルタ、九州フィナンシャル・グループ、ローソン、LIXIL、LINEヤフー、明治ホールディングス、明治安田生命保険、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、商船三井、みずほフィナンシャルグループ、森永乳業、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、日本電気(NEC)、日本生命保険、日本郵船、野村アセットマネジメント、野村総合研究所、NTTデータグループ、王子ホールディングス、りそなアセットマネジメント、リゾートトラスト、サッポロホールディングス、積水化学工業、積水ハウス、清水建設、静岡フィナンシャルグループ、SOMPOホールディングス、ソニーグループ、住友化学、住友林業、住友生命保険、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、住友ゴム工業、大成建設、竹中工務店、農林中央金庫、東京海上ホールディングス、東急不動産ホールディングス、東レ、ツムラ、ヤマハ、ヤマハ発動機。
2025年度の報告を2026年までに行うことにコミットした日本企業・機関は、ブリヂストン、大和アセットマネジメント、富士古河E&C、富士通、日本トムソン、KenKan Consultants、コーセー、九州電力、丸紅、日本ガイシ、ニッセイアセットマネジメント、日清食品ホールディングス、日本水産、日本特殊陶業、大林組、ソフトバンク、三井住友DSアセットマネジメント、三井住友トラスト・アセットマネジメント、武田薬品工業、山陰合同銀行、滋賀銀行、TOPPANホールディングス。
これらの組織は、TNFD勧告の採用を開始し、2023年度、2024年度、または2025年度の年次企業報告書の一部としてTNFDに準拠した開示の公表を開始する意向を表明した。
TNFDアーリーアダプターは、46か国以上に本部を置いている。 注目すべき金融機関には、NBIM(世界の上場企業の全株式のほぼ1.5%を所有する、世界の株式市場最大の単独所有者)や、グローバルシステム上重要な銀行(GSIB)29 行のうち7行が含まれる。
【参照ページ】
(原文)320 companies and financial institutions to start TNFD nature-related corporate reporting
(日本語参考訳)46カ国320組織、TNFD自然関連の企業報告を開始