英金融当局、上場企業のサステナビリティ開示新ルール案を公表 2027年施行目指す

1月30日、英国の金融規制当局は上場企業に求めるサステナビリティ情報の開示ルールを国際基準に合わせるための新たな規制案を公表した。気候変動を含む環境・社会リスクが企業価値に与える影響が大きくなる中、投資家に対してより透明で比較可能な情報提供を促す狙いがある。

今回の提案は、現在の気候関連財務情報開示(TCFD)に基づく制度を見直し、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が策定した基準をもとにした「英国サステナビリティ報告基準(UK SRS)」へ移行する内容となっている。

当局は、新制度によって
・企業の開示内容を国際基準と整合させる
・投資家が持続可能性リスクや機会を正確に把握できるようにする
・海外企業の報告負担を軽減する
ことを目指すとしている。

新ルールの対象となるのは、一般の商業企業をはじめ、議決権のない株式や預託証券を発行する企業、セカンダリー上場企業など、複数の上場区分に属する企業だ。区分ごとに一部要件は異なるものの、幅広い企業に影響が及ぶ見通しである。

背景には、投資家からの強い要望がある。市場関係者は、気候変動や環境問題が企業の業績や株価に与える影響について、より正確で信頼性の高い情報を求めてきた。こうした情報は、証券の適正な価格形成や市場の信頼維持に不可欠とされている。

現在のTCFDに基づく制度は、開示水準の向上に一定の成果を上げてきた。しかし、TCFDは2023年に解散しており、国際的にはISSB基準への移行が進んでいる。こうした流れを受け、英国も制度の見直しを迫られていた。

新制度では、一部の難易度が高い項目について「遵守か説明か(Comply or Explain)」方式を導入する方針だ。企業は原則として基準に従う必要があるが、対応が難しい場合には理由を説明すればよいとされる。過度な負担を避けつつ、透明性を高める狙いがある。

当局は2026年3月20日まで意見募集を行い、その後、同年秋をめどに最終方針を公表する予定だ。新ルールは2027年1月から施行される見通しとなっている。

担当者は「国際的に整合した開示制度を整えることで、英国市場の競争力を高めたい」としており、政府が進める金融制度改革とも連動した取り組みになるとしている。

(原文)CP26/5: Aligning listed issuers’ sustainability disclosures with international standards
(日本語参考訳)CP26/5: 上場発行体のサステナビリティ情報開示を国際基準に準拠させる

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