12月8日、欧州議会と欧州理事会の議員らは、ガス部門の脱炭素化を目指し、水素を含む再生可能な低炭素ガスの導入を促進する新規制について暫定合意に達したと発表した。
新規制は、2050年までに気候中立性を達成し、2030年までに排出量を少なくとも55%削減するというEUの目標を支援するため、欧州グリーン・ディールの一環として、EUガス市場の脱炭素化を図るべく、2021年12月に欧州委員会が提案した一連の提案の一部である。また、欧州委員会は、ロシアの化石燃料への依存をなくすEUの計画であるREPowerEU戦略も支援すると付け加えた。
新規則は、再生可能ガス、天然ガス、水素に関する共通の域内市場ルールを確立することを想定しており、電力、ガス、水素の共同シナリオに基づく国家ネットワーク開発計画を策定するためのルールも盛り込まれている。欧州委員会によると、同規則は、既存のガス送電網への接続とアクセスを促進することにより、再生可能ガスや低炭素ガスの導入を可能にするもので、加盟国がエネルギーミックスにおいてそれらを比較・検討できるようにするため、異なるガスの排出フットプリントの評価に一貫性を持たせることができる。
EU参議院と欧州議会が合意した欧州委員会のパッケージの重要な修正のひとつは、欧州における水素の市場設計の確立を目標としたもので、国境を越えた調整や相互接続網の構築を含む水素専用インフラの促進を目指し、EUレベルでのネットワーク事業者の協力のために、水素ネットワーク事業者のためのEU事業体(ENNOH)が設立された。
【参照ページ】
(原文)agreement on reform of EU gas and hydrogen market governance
(日本語参考訳)EUガス・水素市場ガバナンス改革に関する合意