KKR、エネルギー・インフラ・プロバイダーのスマートメータリングを約2.4兆円で買収

KKR、エネルギー・インフラ・プロバイダーのスマートメータリングを約2.4兆円で買収

12月7日、代替資産およびプライベート・エクイティ投資家のKKRは、エネルギーおよび電化ソリューション企業のスマートメータリング・システムズ(SMS)を買収することで合意したと発表した。同社は「エネルギー転換に実質的に貢献し、それを可能にする可能性がある」とし、「2050年までにネット・ゼロにするという英国政府の野望を支援するために主導的な役割を果たすことが期待される」と述べた。

全額現金での契約に基づき、KKRはSMSに対して1株当たり955ペンスを支払い、同社の企業価値を14億ポンド(約2,557億円)と評価する。

1995年に設立され、スコットランドのグラスゴーに本社を置くSMSは、スマートメーター、蓄電池システム(BESS)、EV充電ポイントの設置・所有・運営をはじめ、太陽光発電、蓄電池、ヒートポンプなどのビハインド・ザ・メーターの資産など、幅広いエネルギーインフラとデータソリューションおよびサービスを提供している。また、エネルギーネットワークに分散した低炭素資産を運用するクラウドベースのデータプラットフォーム「METIS」も提供している。

KKRは、主に170億ドル(約2.4兆円)のKKR Global Infrastructure Investors IVファンドを通じて本取引に投資する。本取引は、ロンドンを拠点とする輸送電化と蓄電池ソリューション・プロバイダーZenobēへの7億5,000万ドル(約1,092億円)の投資や、インドのVirescent Infrastructure、アジアのAster Renewable Energy、高利回りの太陽光発電への長期投資を行うStellar Renewable Powerといった一連のクリーン・エネルギー・プラットフォームの立ち上げなど、エネルギー転換期にあるインフラに焦点を当てたKKRの一連の動きの最新版となる。

KKRは、本取引の概要の中で、SMSは民間所有の下で成長を加速させ、「炭素削減資産の所有、設置、管理を行う、完全に統合されたエンド・ツー・エンドのエネルギー・インフラ企業」へと移行することができると考えていると述べ、「英国のエネルギー転換がもたらす成長機会を完全に実現する」ために必要な「多額の」資本要件を、民間の設定で資金調達することが可能になると指摘した。

【参考ページ】
UK’s Smart Metering Systems set for London delisting after $1.63 bln KKR takeover

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