9月26日、約24兆ドル(約3,584兆円)の資産を持つ190の機関投資家が参加する投資家エンゲージメント・イニシアティブであるネイチャー・アクション100は、自然損失と生物多様性の減少に対処するための企業行動を促進することを目的としたキャンペーンで対象となる100社のリストを発表した。
キャンペーンの対象企業には、アマゾン、マクドナルド、ネスレ、ウォルマート、グレンコアなどが含まれる。ネイチャー・アクション100によると、企業は主要セクターの時価総額と、自然への影響が最も大きい企業の利用に基づいて選ばれた。主な対象部門には、バイオテクノロジーと医薬品、化学品、家庭用品とパーソナルグッズ、消費財小売、食品、食品と飲料小売、林業と製紙、金属と鉱業が含まれる。
ネイチャー・アクション100は、2022年12月に開催されたCOP15国連生物多様性条約締約国会議(COP15 United Nations Convention on Biological Diversity)において、自然損失と闘う企業の野心と行動を高めるための投資家エンゲージメント活動を調整することを目的として発足した。現在、世界のGDPの半分以上にあたる44兆ドル(約6,535兆円)の経済価値創出が自然サービスに依存しており、森林破壊に関連する商品の生産が継続された場合、今後5〜10年間で数百億ドルのリスクがある。
エンゲージメント・キャンペーンのキックオフとして、100のフォーカス企業それぞれに書簡が送られ、自然や生物多様性の損失から生じるビジネスへのシステミック・リスクについて説明された。
この書簡では、自然喪失の主な要因への寄与を最小限に抑え、生態系の保全と回復に努めること、バリューチェーン全体で自然関連の依存関係、影響、リスク、機会を評価・開示すること、自然関連の依存関係、影響、リスク、機会に関する目標および目標達成計画を設定すること、自然関連の問題に関する取締役会の監督を確立すること、自然関連の計画と目標を実施するためにバリューチェーン全体で取り組むことを約束することなど、イニシアティブが示す一連の期待事項を実施するよう企業に求めている。
【参照ページ】
(原文)Nature Action 100 announces companies, start of investor engagement process to catalyze greater action on nature loss
(日本語参考訳)ネイチャー・アクション100が企業を発表、自然損失に対する行動拡大の触媒となる投資家参加プロセスを開始