9月12日、Appleは、Apple Watchの新ラインナップを発表し、製品ラインに一連のサステナビリティ機能を盛り込み、新製品が同社初のカーボンニュートラルを達成したことを強調した。
同社によると、今回の達成は、10年後までにサプライチェーンや製品の使用を含め、同社の全製品ラインナップでカーボンニュートラルを達成するという目標に向けた大きな一歩となる。この目標は、Appleが2020年に掲げた「2030年までに事業全体、製造サプライチェーン、製品ライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現する」という目標の一環である。
Appleは、各ウォッチのカーボンニュートラルを保証するための基準として、製造と製品使用に100%クリーンな電力を使用すること、重量比30%のリサイクル素材または再生可能素材を使用すること、海上輸送など航空輸送以外の輸送手段を使用せずに出荷する割合を50%にすることなどを説明した。
さらに同社は、顧客が充電に使用すると予想される電力の100%を再生可能エネルギーでまかなうと付け加えた。製品の使用は、Appleのカーボンフットプリントの20%以上を占めている。
同社は全体として、デザインの革新とクリーンエネルギーの使用により、Apple Watchの各モデルで製品の排出量を少なくとも75%削減し、残りの排出量には高品質のカーボンクレジットを使用すると述べている。Appleは国際的な基準で認証されたプロジェクトの炭素クレジットを使用しており、その多くは草原や湿地帯、森林の回復など、大気から炭素を除去する自然ベースのプロジェクトによるもの。
Appleの脱炭素化への取り組みは、製品のライフサイクルにおける3つの主要な排出源である電気、材料、輸送に焦点を当てている。
製造サプライチェーンからの排出量は、Appleのカーボンフットプリントの70%以上を占めており、中でも電力使用量は最大の要因となっている。Appleは2015年にSupplier Clean Energy Programを設立し、再生可能エネルギーの調達オプションに関する情報、トレーニング教材、国別の情報、データインサイト、再生可能エネルギーの専門家とのエンゲージメントの機会、政策提言などのリソースをサプライヤーに提供している。同社は最近、28カ国にまたがる250社以上のサプライヤーが、2030年までにAppleの全生産に再生可能エネルギーを使用することを約束し、2022年には製造パートナーによる再生可能エネルギーの電力使用が30%近く増加したことを明らかにした。
さらに、同社は、リサイクル素材または再生可能素材のみを使用して製品を製造することを目指しており、すべての製品ラインにおける皮革の使用を終了したことを発表した。Appleは、新しいApple Watchのために初めて完全に繊維を使用したパッケージングを発表し、iPhone 15のために99%繊維を使用したパッケージングを発表した。
Appleは輸送の排出量に対処するため、鉄道や海上などの輸送手段への輸送量のシフトを進め、持続可能な航空燃料(SAF)の開発を支援し、輸送に低炭素な選択肢を提供するベンダーを選定しているという。
またAppleは、電力網、排出量、気象情報を組み合わせたデータを活用し、電力網がよりクリーンなエネルギー源を使用しているタイミングに基づいて、エネルギー消費量の多い家電製品に電力を使用するタイミングをユーザーが決定できるようにする、Homeアプリケーションの新ツール「Grid Forecast」の提供も開始した。
【参照ページ】
(原文)Apple unveils its first carbon neutral products
(日本語参考訳)Apple、初のカーボンニュートラル製品を発表