6月13日、自動車メーカーのメルセデス・ベンツは、新型車の脱炭素化に向けた取り組みの一環として、2030年までに欧州のサプライヤーから年間20万トン以上のCO2削減鋼材を調達する新たな目標を発表した。
同社は、Salzgitter、thyssenkrupp Steel、voestalpine、Arvedi、SSAB、H2 Green Steelなどのサプライヤーから鋼材を購入する予定である。Salzgitter Flachstahl GmbHおよびArvediとは、CO2削減鋼材を調達するための既存のパートナーシップを結んでおり、Salzgitterは電気炉プロセスを用いてスクラップから鋼材を製造し、従来の高炉方式と比較してCO2排出量を60%以上削減する。
2021年には、水素を100%使用するSSABの直接還元プロセスから鋼材を調達する最初の乗用車メーカーとなり、スウェーデンのスタートアップ企業H2 Green Steel(H2GS)の株式を購入した。2023年初めには、欧州の自動車に使用する低炭素鋼を供給する契約をH2 Green Steelと締結している。
メルセデス・ベンツによると、同社の低炭素鋼供給契約は、2030年までに新車における乗用車1台あたりのライフサイクルCO2排出量を少なくとも半減し、2033年末までにカーボンニュートラルな新車群を提供するという目標を含む「アンビション2039」戦略の達成に向けたマイルストーンとなる。
2021年には、2030年までに全車両EV達成を含む、自動車保有車両の電動化計画を発表した。EVの生産は、従来の内燃機関自動車に比べて炭素集約的である傾向があり、EVの生産における総CO2排出量のうち最大20%を鉄が占めている。
メルセデス・ベンツは2023年初め、遅くとも2039年にはグリーン・スチール・サプライチェーンを実現する目標を掲げている。
【参照ページ】
(原文)Mercedes-Benz plans to source more than 200,000 tonnes of CO₂-reduced European steel annually
(日本語訳)メルセデス・ベンツ、低炭素鋼を年間20万トン使用する目標を設定