6月8日、気候ソリューションに特化した投資事業者Just Climateは、設立当初のファンド「Climate Assets Fund I」で15億ドル(約2,090億円)を調達し、当初の目標額10億ドル(約1,390億円)を大幅に上回ってファンドを終了させたことを発表した。
アル・ゴア元米国副大統領が会長を務めるサステナビリティに特化した投資会社Generation Investment Managementが2021年10月に設立した Just Climateは、緩和が難しいセクターや地域のプロジェクトや企業への投資に焦点を当て、インパクトをもたらすと同時に適切なリスク調整後のリターンを得ることを目指している。同ファンドは、エネルギー、輸送、産業、建物などの分野における触媒的な気候変動対策と、食料、農業、海洋などにおける自然な気候変動対策を対象としている。
当初の投資家グループには、アンカー投資家としてマイクロソフトのClimate Innovation Fundのほか、IMAS財団、アイルランド戦略投資ファンド、ハーバード・マネジメント・カンパニー、ゴールドマン・サックスのインプリント・グループ、ホール・キャピタル・パートナーズなどが含まれていた。決算時点では、カリフォルニア州教職員退職制度(CalSTRS)、PSP Investments、AP4、Colonial First State Investments、Builders Asset Management、AP2などの機関投資家が同ファンドに参加している。
本ファンドの主な目的は、産業界のソリューションを通じて気候変動に対処するというJust Climateの使命を支援すること。エネルギー、モビリティ、産業、ビルディングなど、排出量が多く、削減の選択肢が限られている業界の、資産性の高い成長段階の企業に投資する予定である。これらの分野を対象とすることで、気候変動に大きな変革的影響を与えることを期待している。
Just Climateは最近、EV充電ソリューションプロバイダーのABB E-mobility、低炭素鋼の新興企業H2 Green Steel、産業用クリーンエネルギー企業のMeva Energyなど、同ファンドの最初の3件の投資先を発表した。
【参照ページ】
(原文)JUST CLIMATE ANNOUNCES CLOSE OF INAUGURAL $1.5 BILLION INDUSTRIAL CLIMATE SOLUTIONS FUND
(日本語参考訳)Just Climate、産業用脱炭素ソリューションへの投資で2,000億円超の資金調達を実施