2月22日、世界的な銀行・金融サービス企業であるHSBCは、セメント、鉄鋼・アルミニウム、自動車、航空など、当行の融資ポートフォリオの中で最も排出量の多いセクターにおける融資排出量の削減を目指す、一連の新たな目標を発表した。
また、今年後半に銀行全体のネット・ゼロ移行計画を発表する予定であり、中間および長期の気候変動目標を戦略、プロセス、政策にどのように組み込むつもりかを概説すると発表した。
HSBCの新しいセクター目標には、2019年基準で、セメントセクターのオンバランスシート融資による排出強度を28%、鉄鋼・アルミニウムを42%、航空を25%、自動車を65%削減する2030年の目標が含まれている。本目標は、IPCCの専門家による分析に基づき、地球温暖化の温度上昇を1.5℃に抑えるために必要な経路をベースにしている。
新しい目標は、HSBCが昨年発表した石油・ガスおよび電力・公益事業部門に対する初の部門融資による 排出削減目標に続くものである。さらに最近、同行は、新規の石油・ガスプロジェクトには融資を行わないという新たな方針を発表し、融資を継続するためには、エネルギー部門の顧客に対し、気候目標に合致した移行計画の提出を求めることにした。
本目標を発表した声明の中で、HSBCは、2050年またはそれ以前にネット・ゼロ・バンクになるという野心の一環であり、同行の目標はこれらの部門の顧客の脱炭素化と将来の成長機会の解放を支援することであると述べている。
今後、HSBCは、海運、農業、商業用不動産、住宅用不動産を含むセクターの追加目標を発表する予定であると述べている。
【参照ページ】
(原文)HSBC sets net zero aligned targets to reduce financed emissions from oil and gas, power and utilities sectors
(日本語参考訳)HSBC、セメント、鉄鋼、自動車、航空セクター向けの融資による排出削減目標を発表