1月23日、ドバイを拠点とする航空会社Emiratesは、エンジン1基に持続可能な航空燃料(SAF)を100%使用した初の実験飛行を実施する計画を発表した。
SAFは、現在、世界の温室効果ガス(GHG)排出量の2~3%を占める航空業界の脱炭素化を支援する重要なツールの一つと考えられている。SAFは一般的に、廃油や農業残渣など、持続可能な資源から製造される。SAFの生産者は、従来の燃料と比較して最大80%の温室効果ガス排出量の削減が可能であると見積もっている。
現在、SAFは従来のジェット燃料と50%までの混合で使用することが承認されている。
今回の飛行は、今週初めに実施した777-300ER型機のGE90エンジンのSAF100%使用による地上エンジン試験に続くもので、航空機のシステムの変更や特別な整備を必要とせずにSAF100%で走行できることの実証を目的としている。
各試験では、片方のエンジンを100%SAFで、もう片方を通常のジェット燃料で運転し、それぞれの燃料の種類による燃料システムの挙動を分析し、エンジン出力を比較し、航空機のエンジンと機体の燃料システムがシームレスに動作することを確認する。
Emiratesは、GE Aerospace、Boeing、Honeywell、Neste、Marathon Petroleum子会社のVirentなどのパートナーと共同でSAF燃料ブレンド試験を行い、従来のジェット燃料と同じ品質と性能特性を持つブレンドを開発した。
今回の試験は、SAFに関する一連のマイルストーンとして最新のものである。11月には英国空軍がエアバスA330の軍用機でSAF100%の飛行を完了し、6月には再生可能燃料供給会社Neste、地域航空機メーカーATR、スウェーデンの航空会社Braathens地域航空が、民間地域航空機で初めてSAF100%の試験飛行を完了した。
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【参照ページ】
(原文)Emirates completes engine ground testing with 100% Sustainable Aviation Fuel
(日本語参考訳)エミレーツ航空、100%持続可能な航空燃料を使用した初フライトを実施