テキサス州議会議員、ESG投資についてBlackRockとState Streetに質問
12月16日、投資大手のBlackRockとState Streetの幹部は、委員会の公聴会で、テキサス州上院の国務委員会の共和党議員から、ESGと気候変動に関連するスチュワードシップ、エンゲージメント投票、投資慣行について質問を受けた。
上院は、「州の公的年金資金が政治的または社会的な目的のために投資されていない」ことを確認するために、Bryan Hughes上院議員率いる委員会は、BlackRockの渉外部長Dalia Blassとステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)のグローバルCIO Lori Heinelに繰り返し質問を投げかけた。BlackRockとステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)は、それぞれの企業による気候変動関連の声明、具体的な取り組みや投票、気候変動に焦点を当てた投資団体(Climate Action 100+、世界最大の温室効果ガス排出企業に対して気候変動への必要な行動を促すことを目的とする)への参加などについて、Bryan Hughes議員から何度も質問を受けた。
本公聴会は、米国の共和党政治家による反ESGの継続的な推進の一環であり、最近では、19人の検事総長が、BlackRockが反化石燃料とネット・ゼロの政策を追求する中で「複雑な動機」で行動していると非難する書簡に署名し、テキサス州会計監査官のGlen Hegar氏が、エネルギー企業をボイコットしていると主張するBlackRockと他のいくつかの資産運用会社をダイベストメントの対象リストに載せた。
BlackRockが昨年、気候変動リスクに対するExxonの不作為をめぐる取締役交代決議を支持したことについて問われたBlassは、BlackRockがExxonの最大投資家の一人であり、顧客に代わって同社に270億ドル(約3.5兆円)を投資していることを指摘した。
Blass氏とHeinel氏の両氏は、自社のスチュワードシップ、エンゲージメント、投票方針は、低炭素経済への移行と世界中の管轄区域における環境影響に関する規制圧力の高まりを踏まえ、事業と気候政策にとって重要なリスクに関する企業の情報開示の改善に主に焦点を当てている、と証言した。
また、Blass氏は、Exxonの投票が、同社が60%の価値を失った数年間のエンゲージメントの後に行われたこと、そして投票後、Exxonは市場や同業他社をアウトパフォームしていることも指摘した。
同様に Heinel氏は、SSGAがテキサス企業に650億ドル(約8.6兆円)を投資していることを指摘し、同社のESGに対するアプローチは、同社の顧客に対する受託者としての役割に基づくもので、長期的なパフォーマンスを同社の「唯一の焦点」とし、次のように付け加えた。
「企業特有の重要なESG要素、気候への影響だけでなく、サプライチェーン管理、データセキュリティ、有害廃棄物の処理など、その他多くの要素が、顧客のために運用する投資のパフォーマンスに影響を与える可能性があると考えています。」
投資運用会社のバンガードも公聴会に呼び出されていたが、Hughes氏は同社に送った書簡を公開し、バンガードが先週、ネット・ゼロ・アセット・マネージャーズ構想からの撤退を決めたことを受けて、委員会が同社の代表者を呼び出す予定はもうないことを明らかにした。しかし書簡では、「我々は、貴社のESGの実践を引き続き評価する」と警告している。
【参考ページ】
(原文)BlackRock and State Street Grilled by Texas Lawmakers in ESG Debate
(日本語参考訳)ブラックロックとステート・ストリートがテキサス州議会でESGの議論を展開