12月5日、世界的なプロフェッショナルサービス企業であるPwCと、エンタープライズアプリケーションソフトウェア企業であるSAPは、サステナビリティ報告や炭素計測からサプライチェーンの脱炭素化、ネット・ゼロ戦略まで、ESGビジネスの主要課題に対するソリューション提供を目的とした新しい共同イノベーション戦略を共同で開始することを発表した。
両社は、クライアントが増大するサステナビリティと気候関連課題に対処するため、能力とソリューションの強化に取り組んでいる。PwC は昨年、新しいグローバル戦略「The New Equation」を発表した。今後5年間で120億ドル(1.6兆円)を投資する計画を立て、ESGを投資の重点分野の 1 つとし、今後4年間でESG収益を10倍にする目標を掲げている。
SAPは今年初め、SAP Cloud for Sustainable Enterprisesを導入し、企業がサステナビリティのパフォーマンスを総合的に管理するためのソリューションのポートフォリオを統合した。同社は最近、SAP Sustainability Control Towerプラットフォームを更新し、これによりユーザーがESGデータの記録と報告、サステナビリティ目標の設定と監視ができるようになった。
両社によると、今回の提携は、PwCのESGおよび会計に関する専門知識とSAPのサステナビリティに特化したプラットフォームを活用し、取引の最適化や税額控除の認識から第三者のリスク管理、競争分析まで、企業全体のESG戦略のためのソリューションをターゲットとするものである。
今回の共同イノベーション戦略で取り組む主な分野は、企業の炭素測定データ報告、ESG対策をビジネス機能に直接組み込むサステナビリティ運用、サプライチェーンのリスク管理、監視、コンプライアンスなどである。
PwCとSAPは、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)、米国証券取引委員会(SEC)が策定する、新しいサステナビリティ報告および監査可能な要件への対応支援にも力を入れると述べている。