11月3日、McKinsey & Companyは、建物からの温室効果ガス排出を削減する取り組みや、建築環境の脱炭素化のためのソリューションを支援することを目的とした業界リーダーによるクロスセクター連合「Net Zero Built Environment Council」を立ち上げると発表した。
国際エネルギー機関(IEA)と国連環境計画(UNEP)によると、建物と不動産は、炭素排出量の約40%を占め、地球温暖化問題の大きな要因となっている。また、長期に渡るという性質上、代替が最も困難な排出源の一つでもある。
建築環境の脱炭素化への取り組みは、大きな投資機会でもある。 McKinseyは、この協議会の発足により、「業界関係者が推定8,000億〜1兆9,000億米ドル(約117兆円~280兆円)の潜在的グリーン市場を開拓することを支援する」ことを目的としていると述べている。
協議会の発足と同時に、 McKinseyは、建築環境の脱炭素化に関連する課題、既存の経路、機会を強調した報告書を発表した。この報告書では、設計、材料製造、建設、使用、解体に至るまで、建物のライフサイクルを通じて排出量を削減するための手段の多くは既に知られ、実証されている一方で、建築環境のエコシステム内での協力関係の欠如が脱炭素化の主な障害になっていることを指摘している。
McKinseyによると、この新しい協議会は、新しいグリーンイノベーションの創出を支援し、グローバルなサステナビリティの指標と研究を行い、建設方法から材料に至るまで、脱炭素化への費用対効果の高い道筋を推進することを目的としているとのことだ。また、同協議会は、建築物の脱炭素化に向けて迅速かつ費用対効果の高い方法を研究・推進するだけでなく、セクターを超えたパートナーシップを促進し、リソースを共有しながら、グリーンテクノロジーを世界規模で一括して商業化することを目指す。
【参考ページ】
(原文)McKinsey launches Net Zero Built Environment Council
(日本語訳)マッキンゼー、「ネット・ゼロ建築環境協議会」を設立