11月3日、欧州委員会は、エネルギーおよび産業の脱炭素化を支援し、ロシアの化石燃料からのエネルギー自立を目的としたクリーンテック・プロジェクトに30億ユーロ(約4,300億円)を投資すると発表した。
本発表は、革新的な低炭素技術の実証を目的とした世界最大級の資金提供プログラム「EUイノベーションファンド」の下で、欧州委員会が3回目に行った募集を受けたもの。今回の公募は、EU排出権取引制度における排出枠オークションによる収入の増加により、先の2回〔18億ユーロ(2,600億円)、11億ユーロ(1,500億円)〕よりも大幅に規模が拡大した。
新しい投資の配分分野は、再生可能エネルギー、エネルギー貯蔵、CCUS、低炭素輸送燃料などの炭素集約型製品の代替プロジェクトのような「一般的な脱炭素化」に10億ユーロ(1,400億円)、産業における化石燃料使用に代わる電化方法と水素製造・普及に10億ユーロ、クリーンテクノロジー製造に7億ユーロ(1,000億円)、破壊的・画期的脱炭素技術に関する高度な革新的プロジェクトに3億ユーロ(430億円)があてられる。
プロジェクトは、技術革新のレベル、温室効果ガス排出を回避する可能性、運用、財務、技術の成熟度、スケールアップの可能性、コスト効率などに基づいて評価される予定だ。