10月5日、世界的な石油・ガス開発企業12社で構成する「石油・ガス気候変動イニシアティブ」(OGCI)は、世界的な海運・エネルギー関係の19のパートナーで構成する「海上脱炭素化グローバルセンター」(GCMD)、スウェーデンのタンカー船社ステナバルクと、大規模な船上CO2回収を実証する二年間のプロジェクトへの着手を発表した。
本プロジェクトでは、船上で30%以上のCO2回収、すなわち毎時約1,000キログラムのCO2回収を目標に、CO2を回収する際の運用上の課題を評価するため、ステナバルクの中距離タンカーに船上CO2回収システムを搭載して試験する。
また、船上でのCO2回収・貯留のみならず、船から陸までのCO2利用・貯留も対象とする。これにより、船舶によるバリューチェーン全体でのCO2回収を実証する予定である。さらに、船上でのCO2回収のコストを1トン当たり150ユーロ以下に低減させ、将来的に本技術を商業化することも目指している。
本実証の進展は、3つの段階を設けており、第1段階では船上CO2回収システムの概念設計と前工程設計(FEED)、第2段階では船上CO2回収システムのプロトタイプの設計・調達・建設(EPC)を行う。第3段階では船上CO2回収システムをステナバルクの中距離タンカーに搭載し、海上で試運転をする。