Enel・The European House – Ambrosettiの共同研究、「Net Zero Economy 2050」の結果を発表

9月3日、エネルギー大手Enel、同社財団のEnel財団、コンサルティング大手のThe European House – Ambrosettiは、3者共同で行った「Net Zero Economy 2050」研究の結果を発表した。 エネルギー転換を促進し、2050年までにゼロエミッション経済を達成するための政策導入を加速させることは、欧州大陸の独立性とエネルギー安全保障の強化に加え、消極的なシナリオに対して価値と雇用を創出する機会を拡大すると結論付けた。

同研究では、イタリアとスペインのエネルギー転換の軌跡を分析し、温室効果ガス排出削減、自然エネルギー利用拡大、エネルギー効率向上の目標に対するギャップを定量化した。また、2050年までの脱炭素化のシナリオ、投資額、経済・社会・環境的利益を設定。

同研究では、ゼロエミッション経済への道を加速するために、2つの前提条件と5つの政策を提案している。第一の前提条件は、欧州、国、地方のエネルギー政策や施策の安定性・透明性・一貫性の確保である。第二の前提条件は、既存のグリーンテクノロジーのアップグレード、新しいグリーンソリューションの開発、化石燃料補助金の廃止である。

5つの政策に関しては、1つは分析したすべての経済セクターを横断的にカバーするもので、他の4つはセクター固有の取り組みである。分野横断的な政策としては、欧州レベルでのエネルギー転換のガバナンスにおいて、より強力な協力体制とより高度な調和の確保を提案している。分野別の政策としては、 電力・交通・産業・建築物の4分野で固有の取り組みを提案している。

電力分野では、再生可能エネルギー発電所の認可手続きの簡素化、エネルギーインフラ工事の促進、需要管理の促進、蓄電設備や柔軟性ソリューションの導入が提案されている。

交通分野では、充電インフラの整備手続きの簡素化、電動モビリティのプレイヤー間の連携強化、相互運用性の促進、系統接続時間の最適化、地域公共交通(LPT)の電動化促進が必要である。

産業分野では、より環境に優しいソリューションへの技術シフトを支援し、直接・間接電化ソリューションの技術移転ラボを設立し、需要応答システムを育成するための法的枠組みを活用する必要がある。

建築物の分野では、ヒートポンプのための公正で安定した透明性のある枠組みを通じて、化石燃料ボイラーの段階的廃止を提案し、建物の改修を支援するワンストップショップの設立を提案している。

【参照ページ】
(原文)“Net zero e-conomy 2050” study by Enel and The European House – Ambrosetti: the acceleration towards decarbonization ensures more effective investments and greater economic, social and environmental benefits
(日本語訳)Enel と The European House – Ambrosetti による「Net zero e-conomy 2050」調査: 脱炭素化への加速により、より効果的な投資と、より大きな経済的、社会的、環境的利益が保証されます

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