4月8日、環境省は2030年までに30%以上の陸と海の保全を進めるイニシアチブ「30by30アライアンス」を発足した。30by30の鍵となる OECM( 保護地域以外で生物多様性保全に資する地域 )については、アライアンス参加者の協力を得て、認定の仕組みを試行する実証事業を今後開始する予定だ。以上の取組は、今年開催予定の生物多様性条約第15回締約国会議第二部に向けても発信を行う。
2030年までに陸と海の30%の保全を目指す目標である「30by30目標」については、「ポスト2020生物多様性枠組案」の目標案の一つとして掲げられている。昨年6月のG7サミットにおいて、G7各国は、国の状況やアプローチに応じて、2030年までに自国の陸域と海域の少なくとも30%を保全すること等を約束した。環境省では、昨年8月に30by30目標の国内達成に向けた基本コンセプトを公表し、行程と具体策を示すロードマップを策定した。
本ロードマップでは、30by30目標達成のための主要施策として、国立公園等の保護地域の拡張と管理の質の向上や、保護地域以外で生物多様性保全に資する地域(OECM:Other Effective area-based Conservation Measures※)の設定・管理、生物多様性の重要性や保全活動の効果の「見える化」等を掲げた。また、主要施策を支え推進する横断的取組として30by30アライアンス等を盛り込んでいる。
上記の30by30ロードマップに盛り込まれた各種施策を実効的に進めていくための有志連合として、環境省を含めた産民官17団体を発起人とする、「生物多様性のための30by30アライアンス」を発足させ、第1弾として、企業、自治体、NPO法人等、計116者が参加。
同アライアンスでは、参加者は、自らの所有地や所管地内のOECM登録や保護地域の拡大などを目指すことに加えて、自ら土地を所有または管理していなくても、他のエリアの管理を支援、あるいは自治体が自ら策定する戦略に30by30目標への貢献を盛り込むことなどを通じて、30by30実現に向けて協力する。
【参照ページ】
(原文)30by30ロードマップの策定と30by30アライアンスの発足について