経産省、トランジション・ファイナンスモデル事業に住友化学を選定。化学分野の初モデル事例に

2月7日、経済産業省は、「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」において化学分野初のモデル事例を選定した。

2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、再生可能エネルギー等の既に脱炭素の水準にある取組に加えて、CO2多排出産業が着実に脱炭素化に向かうための移行(トランジション)の取組への資金供給を促進していくことが重要である。

経済産業省は、環境省、金融庁と共同して2021年5月に「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」を策定した。また、経済産業省では、CO2多排出産業の具体的なトランジションの方向性を示すロードマップの策定を行っており、2021年12月に「『トランジション・ファイナンス』に関する化学分野における技術ロードマップ」を公表している。

本事業は、トランジション・ファイナンスを普及させるため、基本指針、ロードマップと整合し、モデル性を有する事例について、情報発信、評価費用の負担軽減を行う事業である。

今般、審査委員会において、厳正な審査を行った結果、住友化学株式会社が調達を予定しているトランジション・ローンをモデル事例として選定した。

住友化学株式会社は、2050年カーボンニュートラルに向けた戦略(トランジション戦略)と目標を有しており、本件トランジション・ローンは同社グループ内における工場のLNG発電設備(将来的には水素燃料等の使用を想定)にかかる費用を資金使途とし、トランジション戦略にも合致している。

【参照ページ】
経産省、トランジション・ファイナンスモデル事業において、化学分野のモデル事例を選定

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-1

    カナダ年金基金、2030年までに4,000億ドルの気候投資

    6月19日、カナダの大手機関投資家であるケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は、2050年ネットゼロ…
  2. 2025-7-1

    GRI、サステナビリティ報告のデジタル化を促進する新「サステナビリティ・タクソノミー」を発表

    6月19日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新たに「GRI S…
  3. GRI 102/103 新基準の実務チェックポイント:IFRS/ISSB基準と一部整合へ

    2025-6-30

    GRI 102/103 新基準の実務チェックポイント:IFRS/ISSB基準と一部整合へ

    サステナビリティ情報開示における基準間の整合性の確保は、ますます重要な課題となっている。CSRD(…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る