環境NGO Fair Finance Guide Japan、深海底資源採掘に関するセクターポリシーを策定
1月28日、環境NGOのFair Finance Guide Japanは深海底資源採掘のセクターポリシー策定に関するレポートを発表した。
1970年12月に定められた「海洋法に関する国際連合条約」では、国の管轄を超えた海は人類の共同の財産であり、その資源は人類全体の利益のために利用するべきとしている。
FFGJは本レポートにおいて、日本の金融機関が深海資源開発に関して投融資方針を定めていないことが危惧され、取り返しのつかない事態を招く前に金融機関各社は下記の対策を講じるべきと発表した。
・自社で深海由来の鉱物を使用しない方針を採用し、公開すること
・国連海洋科学の 10 年における深海採掘のモラトリアムへの支持を表明すること
・投融資先企業が同様に深海由来の鉱物をサプライチェーンから除外し、モラトリアムへの支持を表明するよう促す方針を定め、公開すること
このうち、深海採掘のモラトリアムとは、は開発のモラトリアム期間を求める運動を指す。海洋科学者ら600人以上によって、2021年から2030年までが「国連海洋科学の10年」と定めており、BMW、グーグル、パタゴニア、フィリップス、サムスンSDI、Scania、トリオドス銀行、フォルクスワーゲン、ボルボといった企業も深海底由来の鉱物をサプライチェーン上で使用しないことや2030年までのモラトリアムを支持することを公表している。また、200を超える政府機関と900を超えるNGOらによって構成される国際自然保護連合(IUCN)も昨年9月に深海鉱物採掘に関する世界的なモラトリアムを求める決議を圧倒的多数で可決している。