欧州委員会、交通・輸送のグリーン・デジタル化に関する具体的な政策を発表

12月24日、欧州委員会は欧州グリーン・ディールの目標に沿って、よりクリーンで環境に優しくスマートなモビリティへの移行を支援するため、EUの交通システムを近代化する4つの提案を採択した。

政策としての「TEN-T」構想は、鉄道、内陸水路、近海航路、道路からなるEU全域のネットワークを構築し、424の主要都市と港湾、空港、鉄道ターミナルを結ぶことを目指す。2040 年までに主要な TEN-T 旅客鉄道路線で時速 160km 以上での走行が可能になり、EU 全域で競争力のある高速鉄道接続を実現することが求められている。また、TEN-Tネットワークに沿ったすべての主要424都市に対し、ゼロ・エミッションモビリティを推進し、公共交通機関や徒歩・自転車用インフラの増加・改善を目的とした「持続可能な都市モビリティ計画」の策定が要求されている。

TEN-T提案には、長距離および国境を越える鉄道に関する行動計画が含まれており、EUが2030年までに高速鉄道の輸送量を2倍に、2050年までに3倍にするという目標を達成するための、さらなる行動によるロードマップが示された。

また、鉄道事業者のインフラへのアクセスを容易にし、競争を促進して、乗客にとってより魅力的なチケット価格を可能にする、2023年の軌道アクセス価格に関するガイドラインも策定された。
2030年までに、欧州委員会は、新しいTEN-T要件の発効に先立ち、アクションプランのアプローチを検証するために、少なくとも15の国境を越えた試験的な取り組みを開始することを支持する。

同時にデジタル化に関する提案も行われた。タクシーやライドヘイリングサービスを含む都市交通のゼロエミッションソリューション、都市配送のラストマイル、マルチモーダルハブの建設と近代化、新しいデジタルソリューションやサービスも優先的に検討する。

今回採択された提案は優先事項を実施するための地方および地域の当局のための資金調達の選択肢を示すものである。2022年には、欧州委員会は、EU加盟国に対し、都市がモビリティ計画を策定するのを支援するための国家計画策定のための勧告を提案する予定である。

【参照ページ】
(原文)New transport proposals target greater efficiency and more sustainable travel
(日本語訳)新交通システムの提案、効率化と持続可能な移動の実現を目指す

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