米国環境保護庁(EPA)は、2023年から2026年のモデルイヤーにおける乗用車および小型トラックの温室効果ガス排出基準の最終版を発表し、従来の基準よりも大幅に排出量削減の野心を高めていることを明らかにした。
EPAによると、この新基準は、気候汚染の軽減、公衆衛生の向上など、米国人に1,900億ドルの純便益をもたらすという。また、EPA は、2026 年型車の耐用年数において、新規制による燃料節減は、初期コスト増を 1,000 ドル以上上回ると試算している。
バイデン政権は、就任直後からパリ協定に復帰し、最近では、2030年に経済全体の温室効果ガス(GHG)排出量を50~52%削減するという大統領発表の中間目標を導入するなど、国家気候目標を政策課題の中心に据えている。
米国では、温室効果ガス排出量の29%を運輸部門が占め、その58%を乗用車とトラックが占めているため、自動車排出量の削減が政権の気候変動に関する目標達成のカギを握っている。バイデン大統領は8月、長期的な燃費・排出基準の策定を義務付ける大統領令に署名し、2030年までに米国内の新車販売の半分をゼロエミッション車が占めるという目標を設定した。
EPAの新ルールでは、2026年に車両全体のCO2排出量を161g/マイルに削減することを想定しており、2022年から28%以上削減し、2026年の事前目標である208g/マイルを大幅に下回る。EPAは、2026年までにEVやプラグインハイブリッド車を含む約17%の電気自動車を販売すれば、この基準を満たすことができると予測している。
【参照ページ】
(原文)Regulations for Greenhouse Gas Emissions from Passenger Cars and Trucks
(日本語訳)米国、自動車排出ガス削減要求の野心を高める