アングロ・アメリカン、海上輸送の脱炭素化を目指す

 

11月5日、世界的な鉱山会社であるアングロ・アメリカン社は、2040年までに同社が管理する海上貨物のカーボンニュートラルを達成し、2030年までにこれらの活動による排出量を30%削減するという新たな目標を含む、海運活動の脱炭素化を目的とした一連の新しい気候変動目標を発表した。

世界中の企業が自社のサプライチェーンにおける気候変動への影響軽減を目指している中、

外航船の持続可能性はますます注目されている。欧州海事安全局によると、海運業は世界の温室効果ガス排出量の3%を占め、沿岸地域や港の近くでは大気汚染の原因にもなっている。

この新しい目標は、アングロ・アメリカンを含む世界の金属・鉱業界の約3分の1が加盟する国際鉱業金属評議会(ICMM)が先月発表した、2050年までにスコープ1および2の温室効果ガス(GHG)排出量をネット・ゼロにすること、およびスコープ3のバリューチェーン排出量の対策を加速することをメンバーが約束したことを受けたものだ。

アングロ・アメリカン社は、2040年までにカーボンニュートラルな鉱山経営を実現し、2040年までにスコープ3の排出量を50%削減することを目標としている。今年初め、アングロ・アメリカン社は、一般炭の採掘からの撤退を完了したことを発表した。これにより、世界の燃料ミックスの中で最も炭素排出量の多いエネルギー源からの撤退となる。

アングロ・アメリカン社は、船舶の改造、航海最適化ソフトウェアの使用、従来の燃料油から持続可能な船舶用燃料への転換を目的とした技術開発の支援など、新たな出荷目標を達成するためのいくつかの取り組みについて説明した。アングロ・アメリカン社は、バイオ燃料、グリーンアンモニア、水素ベースの燃料など、低炭素・ゼロカーボンの代替燃料の開発を促進する業界の取り組みに参加すると述べている。

【参照ページ】
(原文)ANGLO AMERICAN AIMS FOR CARBON NEUTRAL SHIPPING BY 2040
(日本語訳)アングロ・アメリカン、海上輸送の脱炭素化を目指す

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る