11月24日、連ドイツの新政権を構成する予定の3党は、ドイツの気候変動への取り組みを強化するための合意を発表した。今回の合意には、2045年の気候ニュートラル目標を達成するために石炭の使用を数年前倒しで廃止し、再生可能エネルギーを主な動力源とする経済を計画することが含まれている。
SPD、緑の党、FDPの3党が発表した合意では人為的な気候変動を現代の最大の課題と位置づけ、
石炭の廃止を2030年とするなど従来の目標を8年前倒しした。このような積極的な目標を達成するためには、よりクリーンなエネルギーへの投資の必要性が強調されており、特に来年予定されている同国の原子力発電からの撤退を考慮している。
今回の合意では、再生可能エネルギーが電力需要の65%から80%を満たすように成長することを想定しており、風力発電と太陽光発電の大幅な拡大が計画されている。この計画には、ドイツの2030年の太陽光発電容量の目標を2億kWに倍増することや、洋上風力発電に大規模な投資を行い、2030年までに3,000万kW、2045年までに7,000万kWに拡大することが含まれている。
また、重要なエネルギー源である水素の開発も計画に含まれており、「2030年までに水素技術の主要な市場となる」ことが求められている。今回の計画では、10年後までに約1,000万kWの電気分解能力を開発することが盛り込まれている。
今回の合意内容をまとめた声明で、連合は次のように述べている。
「私たちの連合は、私たちが産業とイノベーションの拠点を強化し、その結果、長期的かつ持続的に安全で良質な雇用を確保するための礎石を築くという大きな機会を得ました。気候危機との戦いは、人間の仕事です。私たちは、遅くとも2045年までに気候変動の影響を受けない社会を実現したいと考えています。しかし今は、具体的な対策を講じて実行に移すことが重要です。」
【参照ページ】
(参考記事)Germany hits renewable accelerator, targets coal exit by 2030
(日本語訳)ドイツ次期政権、石炭撤退を加速。再生可能エネルギーの大幅拡大を計画