クルックス、ローワーカーボンキャピタル主導のシリーズBで5,000万ドルを調達

4月18日、クリーン・エネルギーと製造業向けの次世代資本市場インフラを構築するクルックスは「Lower Carbon Capital」(ローワーカーボンキャピタル、以下略:LCC)が主導する5,000万ドルのシリーズB資金調達ラウンドを成功裏に完了したと発表した。

このラウンドには、既存投資家のAndreessen Horowitz(a16z)、Ardent Venture Partners、CIV、New System Ventures、Three Cairns Groupに加え、新たにGiant Ventures、Acrew Capital、Liberty Mutual Strategic Ventures、MassMutual Ventures、OMERS Venturesが参加した。これらの親会社は総額で数千億ドル規模の資産を運用している。

今回の資金調達により、クルックスの累計調達額は7,700万ドルを超えた。同社はこの資金を活用し、クリーン・エコノミーにおける中核的な資本市場プラットフォームの構築をさらに加速する方針だ。

Cruxは過去1年で急速な成長を遂げており、税額控除の移転を通じて70件以上・数十億ドル相当の取引を促進した。また、同社の「Crux Debt Marketplace(クルック・デット・マーケットプレイス)」も立ち上げられ、100社以上の開発業者・製造業者が11Bドル(110億ドル)を超える資金調達を進めている。

さらに、同社のネットワークには現在630社の市場参加者が登録しており、2025年中には1,000社を超えることが見込まれている。

米国では、データセンターや輸送、製造の電化によりエネルギー需要が20年ぶりに増加した。これに対応するため、数千億ドル規模の投資が重要鉱物や製造部品の国内サプライチェーンに流れ込んでいる。

しかしながら、こうした変革に不可欠な資本市場は、依然として不透明で断片的かつ複雑な状態が続いている。クルックスはその課題を解決すべく、取引の透明性、効率性、そしてスピードを高める統合プラットフォームの提供を進めている。

クルックスのプラットフォームは、AIと独自のデータを活用し、デベロッパーや製造業者、税務チーム、金融機関が効率的にマッチングし、取引を迅速に進められるよう設計されている。

今後18カ月以内に、クルックスは新たな資本調達手段への対応を広げ、キャピタル・スタック全体にわたる多様な取引を支援する予定だ。また、取引ハブや次世代データルーム、タームシート作成ツールなど、ソフトウェア面での機能強化も進めていく。

クルックスのCEOは「強力な国内製造業とクリーン・エネルギー市場の成長を支えるため、私たちは透明で一元化された資本市場インフラの構築に注力している。今回の資金調達は、そのビジョンの実現に向けた大きな一歩です」とコメントしている。

(原文)What our $50M Series B means for Crux partners
(日本語参考訳)5,000万ドルのシリーズBが意味するもの

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