2025 CFO Outlook Survey発表、成長への積極的な姿勢が明確に

2月18日、コンサルティング会社BDOが2025 CFO Outlook Surveyを発表し、CFOたちが2025年に向けて不確実性から積極的な行動へと転換していることが明らかになった。調査によると、52%のCFOが今後12カ月で企業の収益性が向上すると予測。AI導入の加速(60%)、製品・サービスの拡充(48%)、価格戦略の調整(46%)などを成長戦略として挙げている。

AI導入が加速、課題も浮上

企業は今後も積極的に生成AIを活用する方針を示している。21%のCFOが自社独自のAIプラットフォームを構築し、32%がサードパーティ製品を導入予定と回答。しかし、AIの従業員定着や拡張、ITインフラの不足が主要な課題とされている。

人材戦略の強化が優先事項

企業は人材確保と定着に注力しており、39%のCFOがAIを活用した従業員支援を進め、32%が給与引き上げを計画している。さらに、28%のCFOが従業員のスキルアップや再教育の機会を増やすと回答した。

M&Aや戦略的売却が活発化

企業の38%が今後12カ月で戦略的売却を計画しており、16%は買収による成長や事業モデルの転換を検討している。過去2年間で企業の評価額が大幅に上昇しており、M&A活動が活発化する見込みである。

サステナビリティが事業成長を後押し

CFOの37%が、サステナビリティ施策によるイノベーションや新規事業機会の創出を実感しており、34%は有利な資金調達や投資の機会が増加していると回答。特に従業員の福利厚生(40%)や持続可能な製品開発(39%)が重点領域となっている。

業界別の動向

  • ヘルスケア: 2024年に収益回復を達成したCFOの84%が、M&Aや新技術導入を加速予定。
  • ライフサイエンス: 資金調達競争が激化する中、42%が管理費削減によりキャッシュを確保予定。
  • 製造業: 25%のCFOが10%以上の利益成長を予測。技術投資と業務改善のバランスが鍵となる。
  • 小売り: AI活用(36%)や店舗戦略の見直し(34%)により利益率の改善を図る。
  • テクノロジー: 86%が2025年の収益増を予測。92%がデータ管理への自信を示す。
  • サステナビリティ: 47%のCFOがサステナビリティ戦略への関与を強化予定。

【参照ページ】
(原文)CFOs Embrace Bold Growth Agenda for 2025 – BDO Report
(日本語参考訳)CFO が 2025 年に向けて大胆な成長計画を策定 – BDO レポート

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