EUのサステナビリティ規制緩和に警鐘—6.6兆ユーロの資産を持つ投資家が声明
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2月4日、160以上の投資家団体が、総額6.6兆ユーロの運用資産を代表し、EUのサステナビリティ金融制度の見直しに対して警鐘を鳴らした。欧州委員会が2月26日に発表予定の「Omnibusパッケージ」が、EUのサステナブル・ファイナンス規制を大幅に緩和する可能性があるためだ。
Eurosif、IIGCC、PRIの3つの欧州投資家団体が200以上の金融機関と連携して共同声明を発表し、既存規制の全面改定は投資の不確実性を高め、EUのグリーン・ディールの目標を損なう可能性があると警告した。
EU経済と競争力に悪影響を及ぼす懸念
声明では、持続可能な投資のための透明性を維持し、投資家がリスク管理や資本の再配分を適切に行える環境を確保する必要性が強調されている。現在の規制は、長期的な経済成長とネットゼロ経済の実現に不可欠と指摘されており、規制の緩和が進めば、投資環境の不透明性が増し、経済競争力の低下につながる恐れがある。
また、EUの企業サステナビリティ・デューディリジェンス指令(CSDDD)やコーポレート・サステナビリティ報告指令(CSRD)の改定が進めば、持続可能な投資の枠組みが揺らぐとの懸念も示された。
政策の安定性を求める声
投資家団体は、欧州委員会に対し、政策の安定性を確保し、持続可能な投資の推進を後退させないよう求めた。声明では、「規制の透明性が向上したことで、すでに持続可能な投資が進展している」と指摘し、安易な規制緩和ではなく、持続可能な金融政策の堅持が必要だと強調している。
【参照ページ】
(原文)EU: Over 160 investors with EUR 6.6 trillion assets warn Omnibus package could harm investment & create legal uncertainty
(日本語参考訳)EU: 6.6兆ユーロの資産を持つ160以上の投資家が、包括パッケージが投資に悪影響を及ぼし、法的不確実性を生み出す可能性があると警告