9月26日、欧州委員会は、ベルギー、ドイツ、スペインを含む17のEU加盟国に対し、企業の持続可能性報告指令(CSRD)の国内法化が2024年7月の期限に間に合わなかったとして警告を発出した。CSRDは、ヨーロッパ全体で持続可能性報告の統一を図り、企業に対して環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する詳細なデータの開示を義務付け、従来の非財務報告指令(NFRD)よりも対象企業を大幅に増やし、持続可能性パフォーマンスやリスクの開示を強化する。
期限である2024年7月6日を過ぎても、これら17の加盟国はCSDRの完全な国内法化を通知しておらず、欧州委員会はこれらの国々に対し、違反手続きを開始し、対応が不十分な場合、法的措置に発展する可能性がある。欧州委員会によると、指令の国内法化の遅れは、EU全体での持続可能性報告の統一を妨げるリスクがあるという。投資家は、企業の持続可能性パフォーマンスを評価し、適切な投資判断を下すために標準化された報告を必要としている。すべての加盟国で一貫した実施が行われなければ、この目標の達成が難しくなると懸念する。
欧州委員会は、2か月以内に対応がない場合、理由付意見の発表を検討するとしている。
【参照ページ】
(原文)Commission takes action to ensure complete and timely transposition of EU directives
(日本語参考訳)欧州委員会、EU指令の完全かつ適時な移行に向け行動