3月1日、英国の広告規制機関である広告基準局(ASA)は、Lufthansaが昨年行った広告キャンペーンが「広告主の環境への影響について誤解を与えるものであった」と指摘した。
Lufthansaは、今後の広告における環境主張の根拠を明確にし、航空会社の利用による影響について誤解を招くような印象を与えないようにすること、主張に対する確固たる立証を行うことを命じられた。
判決は、2022年6月のLufthansaのポスターに対するものである。ポスターは飛行機を正面から見て、下半分を地球のイメージで表現し、キャッチコピーに”CONNECTING THE WORLD. protecting its future.”というキャッチフレーズを掲げている。
ASAの指摘に対し、Lufthansaは、「#MakeChangeFly」キャンペーンの一環である本広告の目的は、飛行機による環境への影響を減らす必要性を訴え、そのための同社の取り組みを、広告上に表示されたウェブサイトへのリンクを通じて消費者に知ってもらうことであったと述べた。Lufthansaは、本広告が同社のサービスに関する約束をしたり、環境に無害であると捉えられたりすることはなく、そのための具体的な主張も行っていないと主張していた。
しかし、ASAは判決で、広告のテキストが「曖昧で、環境と明確に結びついていない」ことを認めつつ、地球儀の画像とともに表示されることで、消費者が「Lufthansaの航空に対するアプローチがいかに世界の未来を守るか」を指していると解釈する可能性が高いと述べた。
さらに、ASAは、本キャンペーンが気候目標を達成するために航空会社が計画している具体的なステップに基づいていることを指摘した一方で、「未来を守る」という主張は、「消費者には、Lufthansaの事業が環境に有害でないことを保証するために同社は重要な緩和措置をすでに講じていると理解される」恐れがあると主張した。
裁定は、規制当局が最近、広告に記載された環境に関する主張への注視を強めている中で下されたもの。10月、ASAは、HSBCが気候変動に焦点を当てた行動を強調している広告に対し、HSBCが排出量の多い産業や企業への融資活動を継続していることに関する情報を省略しており誤解を招くと裁定した。今年に入り、ASAは、消費者に対して環境の持続可能性を主張する広告主に対するガイダンスを発表し、カーボンニュートラルやネット・ゼロといった「まったく無条件の」主張に対して対策を講じる予定であると述べている。
【参照ページ】
(原文)ASA Ruling on Deutsche Lufthansa AG t/a Lufthansa
(日本語参考訳)英国の広告規制機関、Lufthansaの広告が誤解を招く環境主張をしていたと指摘