
3月7日、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に関する法律改正案が発表された。この法律案は、我が国の2050年カーボンニュートラル達成に向けた重要な一歩である。特に、洋上風力発電は再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札とされている。
この法律案の背景には、2030年までに1,000万kW、2040年までに3,000万kWから4,500万kWの案件形成目標がある。これにより、領海及び内水における海洋再生可能エネルギー発電設備の整備を促進する「再エネ海域利用法」に基づく案件形成の促進に加え、我が国の排他的経済水域(EEZ)における案件形成にも取り組む必要がある。
現行の再エネ海域利用法では、適用対象が「領海及び内水」に限定されており、EEZについての規定がない。このため、EEZにおける海洋再生可能エネルギー発電設備の設置に関する新たな制度を創設することが求められている。また、洋上風力発電事業の案件形成を促進するにあたり、海洋環境の保全を考慮した促進区域の指定に際して、国が必要な調査を行う仕組みも導入される。
法律案の概要として、経済産業大臣及び国土交通大臣は、自然的条件が適当である区域を募集区域として指定し、公告縦覧や関係行政機関との協議を行うことができる。設置を希望する者は、設置区域や事業計画の案を提出し、仮の地位の付与を受けることが可能である。さらに、仮の地位を受けた事業者や利害関係者を含む協議会を組織し、必要な協議を行う。最終的に、協議が調った事項と整合的である場合に限り、設置が許可される。
この法律改正案により、EEZにおける海洋再生可能エネルギー発電設備の設置許可や、海洋環境の保全に配慮した促進区域の指定を通じて、海洋再生可能エネルギーの導入拡大が期待される。2030年までに1,000万kW、2040年までに3,000万kWから4,500万kWの案件形成を目指す。
【参照ページ】
(原文)「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定されました