ESGレポートの標準化を推進する代表的な団体であるGRI(Global Reporting Initiative)は、気候変動調査会社かつ環境情報開示プラットフォームであるCDPが、GRI生物多様性スタンダードの更新プロセスに参加することを発表した。CDPは更新された基準が発行された後、自社の開示システムに反映させる。
さらにGRIは、Taskforce on Nature-related Financial Disclosures(TNFD)のTNFDフォーラムへの招待を受け、TNFDナレッジハブパートナーとなったことを発表した。2021年6月に発足したTNFDは、組織が進化する自然関連リスクを報告し、行動するためのフレームワークを提供することを目的としており、2023年にフレームワークを確立することを目標としている。GRIは、更新された生物多様性基準が、他の基準とともにTNFDフレームワークにインプットされると述べている。
GRIサステナビリティ・レポーティング・スタンダードは、企業によるサステナビリティ報告のための最も一般的に受け入れられているグローバルスタンダードのひとつで、企業や業界を超えた一貫性のある報告を可能にし、サステナビリティに関する事項をステークホルダーに明確に伝えるために開発された。この基準は、汚職防止対策から生物多様性や排出量まで、ESGに関連する幅広いトピックの報告に利用できる。
GRIによると、少なくとも2,000の組織が現行の生物多様性基準を使用している。GRIは今回の改訂版で、より多くの組織が生物多様性に関する役割に対応できるようにし、ステークホルダーの透明性に対する期待に応えられるようにすることを目指している。
2021年6月、GRIはプロフェッショナルサービス企業であるKPMG、環境サービス企業であるAmbipar、慈善団体であるOne Earthを含む一連の企業や組織、および個人からの寄付により、改訂版基準の策定のための資金を得たことを発表した。先週、GRIと欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、EUの新しい生物多様性報告基準を更新基準に合わせるための共同構築プロセスを発表した。
【参照ページ】
(原文)Collaboration to deliver enhanced reporting on biodiversity impacts
(日本語訳)CDPとGRI、協力して生物多様性報告基準を更新