エネルギー大手のネステは11月29日、民間航空機の両方のエンジンで100%持続可能な燃料(SAF)を使った運行の研究結果を発表した。
2021年4月に行われた同研究では、地中海での飛行実験を3回行い、ネステのHEFA(水素化処理エステルおよび脂肪酸)系のSAFの二酸化炭素排出量とケロシン系燃料の比較を行った。11月にも同様に100%SAFの排出量とケロシン系燃料とHEFAの混合燃料の排出量の比較を行ったが、いずれにおいても、SAFの方がケロシン系燃料より粒子状物質排出量が少なく、大気汚染および気候変動にポジティブな影響をもたらすと結論づけた。
この実験は ECLIF3(‘Emission and Climate Impact of Alternative Fuels’) 研究プロジェクトと呼ばれており、エアバス、ロールスイロイス、ドイツの研究センターDLR、ネステ、カナダ国立研究評議会とマンチェスター大学の研究者が参画しており、来年末と2023年にその結果を学術雑誌に発表する予定。
航空機は現在、SAFと従来のジェット燃料の50%ブレンドでの運用のみが許可されているが、エアバスとロールスロイスの両社は100%SAFの使用を認定する意欲を示している。
【参照ページ】
(原文)First study on in-flight use of pure sustainable aviation fuel in a passenger jet shows early promise
(日本語訳)エネルギー企業ネステ、世界初100%持続可能な燃料で旅客機運行