HSBC、ドイツ銀行、GRIを含む金融機関、投資家、サステナブル投資に特化したサービスプロバイダーのアライアンスは、アクセス可能で透明性が高く、比較可能なESGデータの中心的な情報源を提供することを目的とした「ESG Book」の開設を発表した。
同アライアンスによると、100兆ドルを超える運用資産が責任投資原則(PRI)を通じて持続可能な
投資目標の達成を約束し、企業が意欲的なサステナビリティ目標を設定する傾向が強まっている一方で、アクセス可能で一貫性のあるESGデータが不足していることが、低炭素で持続可能な事業活動を支援するための投資家や金融機関からの資本流入の障壁となっている。
ESGに特化した金融テクノロジー企業であるArabesque社が開発したESG Bookは、ESGデータを公共財として創出し、すべての企業、投資家、基準設定者、ステークホルダーが利用できるようにするというミッションに基づいており、人権、労働、環境、腐敗防止を網羅した国連グローバル・コンパクトの10原則を支持している。
ESGブックを支援するアライアンスの創設メンバーには、国際金融公社、ISAR、Global Reporting Initiative、Bridgewater Associates、スイス・リー、ドイツ銀行、HSBC、HKEX、Glass Lewis、QUICK、Allianz X、Bank Islam、Goldbeck、Werte Stiftung、WBCSD、Climate Leadership Coalition、Climate Governance Initiative、Climate Policy Initiative、Climate Bonds Initiative、Responsible Jewellery Council、GeSI、そしてアラベスクが名を連ねている。
ESGブックの基盤となる原則は、企業が自らのデータの管理者であり、投資家が求める最も重要で価値のある課題を報告するために、ステークホルダーと直接つながっていることを想定している。ESGデータは、明確で一貫性のある方法で報告されるべきであり、すべてのステークホルダーが容易にアクセスでき、フレームワークに依存しないものである必要がある。
また、このイニシアティブは、様々なフレームワークに同時にマッピングできるESGデータによって、報告の負担を軽減することを目的としている。例えば、ある企業がGRIに準拠して排出量を開示している場合、他の報告用アンケートにも同じデータを入力することができる。
【参照ページ】ESG Book