関西電力は、石炭火力発電の舞鶴発電所に液化した二酸化炭素の出荷基地を建設することを発表した。脱炭素社会の実現に向けた実証実験の一環で、火力発電で石炭を燃焼した際に排出されるCO2を回収し船舶で輸送する。2023年度中にも液化CO2の出荷を始める。

CO2を回収し、有効利用・貯留する技術（CCUS技術）は、ゼロカーボン社会を実現する上で、非常に期待されている技術の一つである。しかしながら、CO2の排出地と貯留地・活用地は離れていることが多く、CO2を安全かつ低コストで輸送する技術の確立がCCUS技術の普及に向けた課題となっている。

実証実験には伊藤忠商事や日本製鉄などが参加し、新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）が支援する。

NEDO事業は、舞鶴発電所で排出されたCO2を出荷基地で液化し、北海道苫小牧市に新たに建設される受入基地まで船舶で輸送するものである。なお、CCUSを目的とした液化CO2の船舶輸送の実証試験は、世界で初めてとなる見込みである。

関電は出荷基地の建設などで協力する。舞鶴発電所からのCO2は液化した上で、年間約1万トンを北海道苫小牧市に新設する受け入れ基地まで船舶で運ぶ。26年度までの実験期間中に必要な技術を検証する。

【参照ページ】
舞鶴発電所における液化ＣＯ２出荷基地建設について