9月22日、花王株式会社は、脱炭素社会の実現に向け、2040年までにカーボンゼロ、2050年までにカーボンネガティブを目指す一環として、発電事業者の株式会社ジェネックス、小売電気事業者のみんな電力株式会社と、コーポレートPPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)の基本契約合意書を締結した。電力の受給は、2022年2月に開始予定で、花王本社で活用していくとしている。
コーポレートPPAは、需要家が発電事業者より直接、再生可能エネルギーを固定価格で
長期間購入するスキームである。需要家は安定的な再生可能エネルギーの調達が可能になり、発電事業者は資金調達がしやすくなることで、新たな発電設備への投資を推進することができる。
日本におけるコーポレートPPAの実績はまだ少なく、花王においても初めての採用である。また、花王が参加する持続可能な脱炭素社会をめざす企業グループ、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)による「JCLPコーポレートPPA組成プロジェクト」の採用第一弾となる。
花王は、2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定し、19の重点取り組みテーマを設定している。コーポレートPPAの採用は、重点取り組みテーマのなかでは「脱炭素」に貢献する活動で、企業・組織が自ら排出する温室効果ガス量を2030年までに55%削減(基準年2017年)することや、原材料調達・製造・輸送・使用・廃棄で排出するCO2量をを2030年までに22%削減(基準年2017年)すること、使用電力を2030年までに100%再生可能電力化などの中長期目標を掲げている。
これまでは、非化石証書を使用した電力調達や、自家消費用の太陽光発電設備の導入などにより、使用電力の再生可能エネルギー化を進めてきた。
花王は、経営にESGの視点を導入することで、事業の拡大と、消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざし、豊かな共生世界の実現に向けて取り組んでいくとしている。