IFRS、SASB改訂(Phase2)の検討資料を公表 テクノロジー・通信分野を次期優先候補に

7月15日、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、7月21~22日に開催する審議会(のアジェンダペーパーを公表し、「Enhancing the SASB Standards(SASB改訂)」のPhase2(改訂の範囲)に関する検討資料を公開している。次期改訂の優先対象としてテクノロジー・通信セクターを中心に包括的に見直す案が示されている。なお、本案はあくまで提案であり、会議ではこの方向性について審議が行われる予定である。
SASB改訂は、ISSBの2024~2026年の間の一環として進められているプロジェクトで、IFRS S1およびIFRS S2の実務適用を支援するとともに、SASB基準を利用しやすいものへ更新することを目的としている。
プロジェクトのPhase1(2025年7月)では、石炭、鉄鋼、金属・鉱業、石油・ガス、加工食品、家電など9業種を対象とした公開草案を公表。2026年3月には、農産物、食肉・乳製品、電力の3業種を追加する公開草案を公表した。現在、2025年7月公表分のフィードバック分析と、2026年3月公表分のコメント募集(7月24日まで)が進められている。
今回公表されたPhase2の検討資料では、ISSBスタッフが次の改訂方針として以下、3つの選択肢を提示した。
- Technology & Communicationsセクターの6業種を包括的に改訂する案
- AIや人的資本、自然関連など特定テーマについて全業種横断で見直す案
- SICS(Sustainable Industry Classification System)の業種分類や開示トピックを全面的に見直す案
特に、Technology & Communicationsセクターは、AI、サイバーセキュリティ、データガバナンス、半導体、データセンター、水資源利用、人的資本など急速に変化するリスク・機会を抱えており、投資家ニーズも高いことを理由として挙げている。また、このセクターはS&P Global 1200指数の時価総額の約38%を占めることから、投資家にとって重要性が高いとしている。
なお、この資料はISSBスタッフによる提案であり、Technology & CommunicationsセクターがPhase2として正式決定したわけではないので、今後も注視が必要になる。すべてのセクターにおけるSASB改訂が完了するまではまだ時間がかかりそうだ。
原文:International Sustainability Standards Board
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