欧州委員会、簡素化後のESRSを正式採択 開示項目は7割削減

7月3日、欧州委員会(EC)は、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)に基づく改訂版の欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)を正式採択したと発表した。オムニバス法に基づくサステナビリティ規制簡素化の一環であり、企業の報告負担を大幅に軽減することを目的としている。

今回採択された改訂ESRSでは、必須データポイントを60%以上削減し、全体のデータポイント数も70%以上削減した。あわせて、基準全体の文章構成を簡潔化し、マテリアリティ評価の考え方を見直すことで、企業が開示すべき情報をより明確化している。ECによると、これらの見直しにより企業1社当たり30%以上の報告コスト削減が期待できるとしている。

なお、ESG Journalでは、正式採択を受けて公表されたESRSに基づき、どのように簡素化されたのか統合・維持・削除別に整理した一覧表を会員限定(無料)で提供している。

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改訂版ESRSは、EFRAG(欧州財務報告諮問グループ)が2025年12月に提出した技術提言をベースとしているが、欧州委員会は企業負担をさらに軽減するため、一部について追加的な修正を加えた。

また、改訂ESRSとあわせて、中小企業などCSRDの適用対象外企業向けの任意サステナビリティ報告基準(VSME)も採択された。この基準には「バリューチェーン・キャップ」が導入されており、CSRD適用企業は、従業員1,000人以下の取引先に対して、この任意基準を超える情報提供を求めることができない。サプライチェーン全体での情報収集負担の軽減も狙いとしている。

今回の採択は、2025年から進められてきたオムニバス簡素化パッケージの重要な節目となる。欧州委員会は、改訂ESRSを欧州議会およびEU理事会へ送付し、異議申立て期間(通常2か月、最長4か月)を経て発効する予定である。適用対象となる企業は、2027年度以降の報告から新基準を使用する見込みで、すでにESRSで報告を行っている企業は2026年度から早期適用することも可能とされている。

なお、EU域外企業を対象とする第三国基準「ESRS-TC(旧NESRS)」についても、EFRAGが2026年7月中旬にも公開草案を公表する見通しである。ESRS-TCは、CSRDの第三国企業制度に基づき、対象となる企業は2029年(2028年度を対象とする報告)から適用される予定であり、EUで一定規模以上の事業を展開する日本企業にとっても、今後の制度設計の動向が注目される。

原文:Commission adopts revised sustainability reporting standards to reduce administrative burdens for EU businesses while maintaining high-quality disclosures


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