SSBJ、温室効果ガス排出開示に関する基準改正を公表

3月13日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、ステナビリティ開示ユニバーサル基準及びサステナビリティ開示テーマ別基準の改正を公表した。今回の改正は、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が2025年12月に公表した IFRS S2「気候関連開示」改訂への対応として実施されたもの。改正対象となる基準は次の3つ。

  • サステナビリティ開示ユニバーサル基準: 「サステナビリティ開示基準の適用」
  • サステナビリティ開示テーマ別基準第1号: 「一般開示基準」
  • サステナビリティ開示テーマ別基準第2号: 「気候関連開示基準」

本改正基準は、2027年1月1日以後開始する年次報告期間から適用(早期適用可)される。
(例:3月決算の3兆円プライム企業の場合、2028 年 3 月期から強制適用、2026 年 3 月期から早期適用可、12月決算の場合、2027 年 12 月期から強制適用、2025 年 12 月期から早期適用可)

改正のポイント

スコープ3「カテゴリー15」とファイナンスド・エミッションの扱いを整理

改正では、スコープ3排出量のうち カテゴリー15(投資)の開示に関する取扱いが明確化された。改正では、金融機関などにおける投融資関連排出量の開示方法が整理された。主な変更点は次の通り。

  • ファイナンスド・エミッションはスコープ3カテゴリー15の一部であることを明確化
  • カテゴリー15に含める排出量をファイナンスド・エミッションに限定できる、およびデリバティブ関連排出量の除外を認める
    ただし、除外した金融活動の説明や何をデリバティブとして扱ったのか説明の開示が必要。
  • カテゴリー15の開示ではファイナンスド・エミッションの小計の開示を要求

ファイナンスド・エミッションの産業分類ルールを柔軟化

ファイナンスド・エミッションの情報開示における産業分類の方法も変更された。改正後は移行リスクの理解に有用な産業分類システムであれば使用可能となった。また、使用した産業分類の説明、その分類が有用と判断した理由の開示も求められる。さらに、商業銀行業務と保険業務を併せ持つ企業については、異なる産業分類の併用が認められる。

GHGプロトコル使用に関する救済措置を拡大

GHG排出量算定に関する 法域別の救済措置が拡充された。具体的には、各国当局や取引所がGHGプロトコル(2004)とは異なる算定方法を要求する場合、その方法の使用を認めるという救済措置について、企業グループ全体だけでなく、子会社や事業所単位でも適用可能であることが明確化された。

GHGプロトコルの改正への理解を深めるなら・・・

救済措置と経過措置

温室効果ガスをCO₂換算する際の地球温暖化係数(GWP)についても、法域の規制により異なる係数の使用が求められる場合、その係数の使用を認めるという救済措置が追加された。

なお、改正では、温室効果ガス排出量に関する開示方法の変更に伴い、比較情報の更新に関する経過措置も追加された。以下の項目において、前期に開示した温室効果ガス排出情報の更新が求められる。

  • 「GHGプロトコル(2004年)」の使用に関する法域別の救済措置、または地球温暖化係数(GWP)の救済措置を適用する場合、前期の排出量情報
  • 前期にスコープ3カテゴリー15(投資)の排出量を開示していた場合のファイナンスド・エミッションの小計
  • 前期にファイナンスド・エミッションを産業別に分解して開示していた場合の当該情報

経過措置により、温室効果ガス排出量の算定方法や開示方法が変更された場合でも、期間比較の整合性を確保することが可能になる。SSBJは、今後もISSB基準と機能的に整合していくことを基本方針とし、国際的な動向への対応を示している。

(原文)「温室効果ガス排出の開示に対する改正」の公表

SSBJ基準への対応に課題はありませんか?

SSBJ基準での開示において「気候基準」は重要な位置づけにあります。気候基準の開示においては、GHGプロトコルなど、算定方法を体系的に整理することや、SSBJ基準における要求事項を正確に把握することが重要です。SSBJ基準に関する記事を読んで、制度対応以前の取り組みとの違いや新たに対応が必要な点等をこの機会に改めて確認してみましょう!

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