シンガポール金融管理局、気候変動リスク対応の移行計画ガイドラインを公表

3月5日、シンガポール金融管理局(MAS)は、金融機関による気候変動関連リスクへの対応を強化するため、「環境リスク管理―移行計画ガイドライン」を公表した。対象は銀行、保険会社、資産運用会社であり、気候変動に伴う移行リスクおよび物理的リスクの管理に関する監督上の期待を示したものだ。今回のガイドラインは、2020年に公表された「環境リスク管理ガイドライン」の補足として位置付けられる。
ガイドラインは、金融機関が気候関連リスクに対する評価および管理能力を強化し、金融システムのレジリエンスを高めることを目的としている。金融機関は、自社のビジネスモデルのリスク特性や事業展開地域の状況を踏まえ、リスクに見合った形で移行計画プロセスを構築する必要がある。
MASは、金融機関に対し、将来を見据えた形でビジネスモデルやガバナンス、リスク管理体制を調整し、気候変動に伴う物理的リスクおよび移行リスクを評価・管理することを求めている。また、顧客や投資先企業との対話を通じて気候関連リスクへの理解を深め、信用供与や保険、投資の一律な撤退を回避することも重視される。データ収集にあたっては、顧客や投資先のリスク重要度を考慮する必要がある。さらに、気候関連リスクの測定・管理に関する知見や手法の進展に合わせ、能力の向上を継続することも求められる。
ガイドラインは銀行、保険会社、資産運用会社のビジネスモデルの違いを考慮して策定された。内容には、過去の公開協議や業界との対話を通じて得られた意見も反映されている。施行は2027年9月を予定しており、それまでに18か月の移行期間が設けられる。
MASのホー・ハーン・シン副専務理事(金融監督担当)は、金融セクターが顧客の気候変動リスク対応を支える重要な役割を担うと指摘し、金融機関が顧客や投資先企業との対話を通じてリスク対応力を高めることが、金融システム全体の安定にもつながるとの見解を示した。
(原文)MAS Sets Supervisory Expectations on Financial Institutions for Transition Planning Practices in addressing Environmental Risk
(日本語参考訳)MASは、環境リスクへの対応における移行計画の実施について金融機関に対する監督上の期待を設定しました。
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