
5月5日、グローバルでの持続可能性に力を入れるHSBC銀行の資産運用部門で、持続可能性を担当していたエリン・レナード氏が退任することを、同社が金曜日に明らかにした。この発表は、新しいCEOのジョルジュ・エルヘデリー氏の下で進められる再編の一環である。
レナード氏の退任は、昨年末に退任したセリーヌ・ハーヴェイエル前最高持続可能性責任者に続くものであり、CEOの方針に沿った環境、社会、ガバナンス(ESG)政策の再評価が進められている。
米国では、ドナルド・トランプ大統領の選出前後からESGに対する反発が高まっており、HSBCのような国際企業を主に扱う中規模企業でも同様の動きが見られる。多くの金融機関が気候変動対策へのコミットメントを縮小している。
レナード氏は、2021年に設立されたHSBC資産運用部の持続可能性オフィスを統括し、サステナブルな投資戦略を推進するとともに、多様性、公平性、インクルージョンに関する施策の監督も行っていた。現在、このオフィスの業務は資産運用部内の他部門に分散され、責務はキャサリン・デ・コニンク・ロペス氏が率いる責任投資チームに集約されている。
エルヘデリー氏は、6か月前に最高責任者に就任して以来、高位管理職の削減や管理部門の再編を通じて組織の刷新を進めており、2026年末までに15億ドルの年間経費節減を図る予定である。これは、全スタッフコストの約8%に相当する。
一方で、HSBCは2025年までにネットゼロを達成する目標を撤回したことで環境保護運動家の反発を招いているが、2050年までにネットゼロバンクを目指す姿勢に変わりはなく、融資に関連する排出量の目標と方針の見直しを開始している。
2024年にはHSBC資産運用部は1,790億ドルのESGおよび持続可能な投資戦略を管理しており、投資をネットゼロに調整することを目的とした国連支援のネットゼロアセットマネージャーズイニシアティブにも引き続き署名している。
(原文)Exclusive: HSBC Asset Management’s global head of sustainability to depart
(日本語参考訳)独占:HSBCアセット・マネジメントのサステナビリティ担当グローバル・ヘッドが退任へ