英国、COP29にて35年までに排出量を81%削減する新たな目標を発表

11月12日、英国政府は、COP29サミットで2035年までに排出量を81%削減することを含む新たな気候変動目標を発表し、気候危機への対策が国家のエネルギー安全保障、経済成長、将来世代の保護に不可欠であると強調した。この発表により、低炭素技術やクリーンエネルギー分野での投資と雇用の創出が期待され、英国は投資先としての魅力を高めることが見込まれている。英国では既に64万件の「グリーン・ジョブ」があり、雇用成長率は他の分野の4倍である。

政府は、再生可能エネルギー・カーボンキャプチャー・原子力・水素を含む国内エネルギー産業への投資を発表した。エネルギー価格の高騰が生活費の上昇を引き起こしたこともあり、英国は化石燃料依存の低減を目指している。また、同国の新たな排出量削減目標は、気候変動委員会の推奨と法的拘束力のあるカーボンバジェットに基づいており、パリ協定の1.5度目標に整合している。英国は他国にもこの目標に追随するよう呼びかけている。

政府は、7月以降にイングランドでの陸上風力発電の禁止を解除し、再生可能エネルギーの入札を通じて多くのクリーンエネルギープロジェクトを実現。公営クリーンエネルギー会社であるGreat British Energyを通じた83億ポンドのクリーン技術導入促進や、テサイドと北西部でのカーボンキャプチャー・クラスタへの資金提供も行っている。

【参照ページ】
(原文)UK shows international leadership in tackling climate crisis
(日本語参考訳)英国は気候危機への取り組みで国際的なリーダーシップを発揮

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る